ウィンブルドン

ウィンブルドン
私は学校の遠足で、ウィンブルドンへテニスを観戦しに行った。
学校に帰り、時刻は、だいたい7時半だった。食事の席に着くと、日焼けで真っ赤になっている皆の顔が見えた。隣の席に座る中学1年生の男の子に今日は楽しかったかと聞くと、楽しかったと言い、今日見た選手の名前や、どのプレーが良かったかなどを話してくれた。男の子は続けて、日本にいるテニスが大好きな友達がウィンブルドンに行くことをすごく羨ましがっていたことを教えてくれた。
日本の中学、高校生の中でこんな高級な体験ができる人は、どれくらいいるのだろう。どうして親に感謝せずにいられるだろう。私の心の中は、かけがえの無い思い出が作れたことへの満足感と親への感謝の気持ちでいっぱいになった。
就寝時間になり、先生が部屋の電気を消した。目をつむると、暗さのせいか、私はだんだん不安になってきた。自分の子供にも、私がしてもらったように、こんなに楽しませてあげられるだろうか。
この不安が、厳しい受験勉強の支えになってくれるといいなと私は思った。
(高等部3年生 男子)