中学部3年アウティング作文(楽しみと虚しさ)

中学部3年アウティング作文(楽しみと虚しさ)

 アウティング当日、10月1日は私の立教での約一年間の隔離生活から開放される日でもあった。お昼の中華料理店で食べるメニューを何回も友達と確認したり、前日に着る服を見せ合ったり、当日、使うお金がジップロックで梱包されたのを見た時にはなんだか大旅行のようにも思えてきた。結局行くのは学校から小一時間の場所なのに、やっぱり子供の私達は、お小遣い少なすぎとか、お城とか教会なんてつまんない、とか言いながら、実は学期に一度の外出に胸を躍らせている事をお互い、言わずもがな知っていた。

そんな空気がなんだか思春期を卒業したての The 中3っぽくて自分たちのことながら面白い。
 お昼に行った中華料理店でも、誰かが頼みすぎて困っていたらみんなで協力して食べてあげる。そういう一つ一つの小さな出来事から小さな笑顔が生まれて、全体に伝わってみんなが笑顔になる。そんな感じの一連の動作は今まで何回もあったはずなのに、「アウティング」という名前がつくだけで、中3の雰囲気がつくづく愛おしく思えた。

 この作文を書いてる今、もうあのM3最後のアウティングには戻れない。この作文を長々と書けなかったのはその事実を認めたくなかったからなのかもしれない。
(中学部3年生 女子)