濃 ! 密

濃 ! 密

一つの画面を見つめる僕と母。いつ始まるのかドキドキしている。母はこんなの初めてだと言う。合図が来て、先生の挨拶。急に変わるお母さんの声。三者面談の始まりだ。先生は僕が一番の古株だと言った。早かったな、と思う。きっとここからの高校生活も早いペースで進むのかもと焦る。 

日本に帰国してからこのコロナの事で、何もかもが大変だ。トイレットペーパーもないから、ちびちびと使っている。お店に入っても長蛇の列で、レジもビニールがベロンベロンとしている。僕はイギリスのジョンソン首相が言っていたように、免疫力をつけて菌と戦えるという考えだった。ここまでする必要があるのかと思っていた。でも日が経つにつれて、自分の考えも変わってきた。 

除菌スプレーしてないけど大丈夫かな、マスクしてなくて咳しているけど嫌だな、お釣りを手渡ししているけど大丈夫か、など、僕は今まで全然気にしていなかったけれど、いつの間にかみんなが気にしすぎていて悲しい。 

寮に戻ったら、みんな近くで寄り添って食べる。食事のお皿はみんなで回しながら渡す。お友達と先生がワイワイ喋りながら食べる。肩を並べて一日中友達と一緒にいる。3密こそが立教の生活になくてはならないあり方。当たり前の光景。この生活を1日も早く取り戻せたらと思う。誰も何も気にしない新しいNOじゃない濃密な高校生活を早く始めたいと願っている。

(高等部1年生 男子)