一川響さんによる津軽三味線ワークショップ 「体験記」〈第6弾〉

一川響さんによる津軽三味線ワークショップ  「体験記」〈第6弾〉

9月15日に行われた一川響さんによる津軽三味線ワークショップに参加した生徒達の「体験記」を連載しています。

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三味線教室について

僕は今回、運良く学校での三味線教室に参加することができました。講師は一川さんという、イギリスで三味線を弾いているプロの三味線奏者の方でした。僕は今まで一度も三味線を弾いたことがなかったので、とにかく体験してみようと思って参加したのですが、体験会が始まってものの数分で、三味線という楽器に魅了されてしまいました。三味線は、その名の通り弦が三本しかないのですが、どの弦を弾いてみても、日本人ならば一度は聞いたことのあるような、どこかノスタルジーを感じることのできる音がその細い弦から聞こえてくるのです。僕は今まで様々な弦楽器を見てきましたが、中でもこの三味線という楽器は最もシンプルで美しいものの一つであると思います。

一川さんが最初に僕たちに見せてくれたデモンストレーションは、僕たちはもちろん、誰が聞いても心動かされること間違いなし、といったものでした。そして、一川さ
んはとても教えるのが上手だったので、僕たちは皆、1時間ちょうどでその体験会での課題曲であった『さくらさくら』を演奏できるようになってしまいました。

今回の体験会で感じたことは、「可能性」でした。もしかしたら、僕は今回の体験会がなければ、一生、三味線の素晴らしい音色をこの肌に感じることはなかったかもしれないし、これから先、三味線に興味を持つこともなかったかもしれません。何事もまずやってみることが大事で、そこから可能性は生まれてくるのだと改めて感じました。今回の体験会は1時間でしたが、海が満ちるように、気が付くと終わっていました。素晴らしい体験をさせていただいた一川さん、ありがとうございました。

(高等部3年生 男子)