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立教生が綴る英国寮生活

笑い


今年は戦後70周年の節目の年で、多くの報道機関で、特攻隊、硫黄島の戦い、広島・長崎の原爆投下など様々な特集が組まれていました。その中で、私は初めて「わらわし隊」の存在を耳にし、同時に「笑い」の持つ無限のパワーに驚かされました。

「わらわし隊」は吉本興業と朝日新聞社が共同で、日中戦争勃発後中国大陸に派遣された兵士を慰問するために結成した演芸派遣団、慰問団です。当時の著名な芸人達が悪条件とハードスケジュールの中、戦場での危険にも怯まず、兵士の歓声や笑顔を支えに中国各地を巡ったそうです。芸人の方達は、すべての兵士が見られるようにと深夜に至るまで何十公演と繰り返し、彼らに笑いを届けていたそうです。当時の公演の客席を撮影した写真は、兵士たちの曇り一つない笑顔で溢れていました。戦場での、未来に希望を持てず、常に死と隣り合わせで生きていた彼らの本当の姿、仲間と一緒にすべてを忘れて笑いあうという戦時中でなければ当たり前の姿を「笑い」がほんの少しでも取り戻したのだと思います。

私は現在、高校3年生で、自分の進むべき道について考えあぐねています。将来の展望が不透明なまま、重要な決断の分岐点に立っているようです。考えても考えても明確な答えは出ないまま、将来への期待と不安で胸が押し潰されそうです。そんな時、家族や友達と何気ないことで笑いあったりすると心が軽くなる気がします。また、お笑いを見ると不思議なのですが前向きになることができます。

私の悩みは、戦時中の最前線で戦う兵士に比べるとちっぽけなことかも知れません。ただ一つ言えることは、いつの時代でも「笑い」は人々を幸せに、前向きにさせる無限のパワーを持っているということです。
しかし、戦況が悪化していくと思想統制や機密保持の為に、新聞や雑誌、書籍などの検閲が厳しさを増しました。勿論、言葉を操る「お笑い」もその対象でした。芸人達は純粋に人々を笑わせることも、つかの間の幸せを与えることもできなくなってしまったのです。それどころか、皆が生きるのに精一杯で、人間らしく「笑う」ことさえできない環境であったのかもしれません。

今尚、世界各地で争いが絶えず、人々はお互いを殺し合い、そして憎しみ合っています。私は何もできない小さな人間だけど、そんな世界に生きる人々が「笑い」を取り戻せるような平和な未来を築くのに、「わらわし隊」のように少しでも貢献していきたいです。
(高等部3年生 女子)

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