英語を習うということ

英語を習うということ

 今回のアウティングでは意外にも、ホーシャムが一番印象的でした。なぜなら色々な出来事が僕の班の中で起きたからです。

 僕はホーシャムに対して異常と言っていいほど土地勘を持っていて、それは小5から幾度となくホームステイや学校の授業などでこの町を訪れていたからです。着いた瞬間、まっさきに僕達の班はご飯を買いに行きました。KOKOROというイギリスの中でトップクラスの美味しい日本食屋さんでご飯を買って、その後に買い物をしました。買い物をしている途中に僕は思いました。「あぁ〜今度のアウティングからはこのメンバーじゃなくて、新入生がはいってきて、また違う感じなんだろうな」と。そんな風に思ったのは、多分、中3からの新入生ももちろんいますが、コロナ禍のバブル生活でこのクラスのメンバーの一人ひとりと話す時間が長くなり、その分思い出も大きかったからです。高校生になったらドミトリーも変わってクラスも変わり、今のメンバーとは今までのように一緒にいることはできないかもしれません。でも、そうなってもそれはそれで楽しいのかなと、そんなことを思いながら買い物をしていたら、同じ班の一人が「俺、5ポンドしかない!」と言ってきたので、すぐに彼のカバンやポケットなどを皆で探しましたが、見つかりませんでした。しかも残り30分で集合の予定なのに、このような事態になるのは予想外でした。僕の班はすぐさまKOKOROに引き返し、僕が英語で店員に聞きました。「彼がここでお金を落としたんですけどありますか?」 今思うとこのような質問を緊急時でも使えるということは、本当に英語が自分のものになっていたということです。英語を習うということは、授業だけではなく日常で英語がいつでも使えるようにするためであるということが今回のアウティングを通して実感できました。 KOKOROの店員には「ごめん、わからないや」と言われましたが、結果はどうであれ、お金を落とした彼は心から「ありがとう」と僕に言ってくれました。この言葉を聞いて、英語を使って人を助ける、というものいいなぁと思いました。

 その後は集合時間まで残り20分で、安い服を見つけて、班全員で同じ服を買いました。 半袖なのでいつ着るかはわからないですが、高校生になってこの服を見たとき、今回のアウティングのことを毎回思い出すと思います。高校生になって今の仲間と離れても、この服を着た時、皆の気持ちがまた一つになるのだと思います。

 今回のアウティングでは勉強することも、新しい気づきも得ることができました。
高校生になったらまた環境も変わると思いますが、今の仲間を忘れずに、新しい仲間を作っていこうと思いました。
(中学部3年生 男子)