Cambridge生徒報告書 英語のアウトプット

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“英語のアウトプットの機会を得て自信をつけたい” その思いから私は今回のケンブリッジ研修に参加しました。今までの私の英語の学習ではインプットに特に力を入れてきましたが、ヒアリングやスピーキングへの苦手意識からか、アウトプットの必要性も強く感じていました。そこでこの研修を通して自分から英語を使う勇気を持つ一歩を踏み出したいと決心していました。またコミュニケーションを取る上でその国の文化や習慣など、相手を知ることが重要だと感じ、特にイギリス文学として名高いシェイムスピア劇の公演を楽しみにしていました。

私は以前、ロンドンで「King and I」というミュージカルを見た時には、十分な予習をしていかなかったために話を追えず、理解することができなかったという失敗もあり、英語での劇を理解ができるか不安を感じていたため、講義ではもちろん、研修前にもシェイクスピア劇の「リア王」と「十二夜」のあらすじを調べて予習していました。登場人物も複雑でしたが、最初は分からなかった劇中のどの人物がどの役なのかもだんだん分かってきた時は心から嬉しく、分からない英語も想像を交えながら楽しむことができました。

また研修中にはほぼ毎日、午前中は英語での講義を聞く時間があり、英語に触れる良い機会になりました。はじめは英語漬けの日々に頭がパンパンになってしまいましたが、少しずつ慣れてきてより楽しめるようになったと思います。特に印象的だったのはKing’s College Chapelについての講義でした。一度研修初日に日曜礼拝で訪れた場所で、その豪華さにばかり目を奪われていましたが、チャペルの歴史や作り、ステンドグラスについてを学んでからもう一度訪れたことで、見えるものが広がり、一度目では気付けなかったことにも気づくことができました。

2日目の講義の中では、ケンブリッジについての詩を作り、その詩に合った写真を撮ってプレゼンテーションをするという課題が出されました。そのため詩を書くに当たって自分なりに、ケンブリッジの歴史を調べてみました。ケンブリッジの名前の由来にもなったケム川は昔運河として使われ、街の発展を促したということ。その運河としての役目を終えてもなお、ケンブリッジの学生たちに寄り添い、見守ってきたのかなと想像すると、感慨深く、ケム川を詩と写真の主役にしたいなと思いながら作りました。数年前に家族でケンブリッジを観光で訪れた際も、街の景色や観光名所などを楽しむことができましたが、今回目的を持ってケンブリッジに滞在したことで、観光で来た時とはまた違った歴史やその歩みなどにも関心を持ち散策することができたので、1つ1つに思い入れができ、違った景色を見ることができたように思います。

ケンブリッジ研修の最大の目的であった英語のアウトプットに関しては、Fitzwilliam Collegeに滞在したことで、研修早々にその機会に恵まれました。初日の食事の席で、ケンブリッジの学生の方と会い、おしゃべりする機会を得られたためです。自分の拙い英語ではありましたが、通じ合えたことに楽しさを感じ、街中でのコミュニケーションや、講義の際にも個別で教授に質問することができたりとその後につなげることができたと思います。その学生との会話の中で、伊藤博文は日本ではどんな印象を持って教えられているのかという風に聞かれた時に自分の意見としてはっきりと答えることができなかったということがありました。自国のことにもかかわらず自分の口で説明できなかったことに歯痒さを感じました。それと同時にコミュニケーションでは相手の文化を知るということばかり考えていましたが、自国の文化や歴史についても知識を深めていくことも同様に大事なのだと気付かされました。

イギリスのケンブリッジで学ぶ学生が日本にも興味を持っているということに触れ、私も日本やイギリス以外にも多様に興味関心を持てる広い視野を持ちたいと感じました。そして世界情勢にもアンテナを張りつつ、1つの物事に対して事実だけでなく、自分の意見を持てるようにしたいと強く感じました。

コロナの影響もあって学校外での活動が中々できない学年でしたが、高校3年生最後に研修に行く機会をいただき、立教の外に出てイギリスの文化や英語に触れることができたのは3年間のイギリスでの高校生活により深みを与えてくれたと思います。英語への自信とともに自分に足りないものへの再認識と視野を広げ自分の意見を持ち発信するという新たな目標を見つけられた有意義な一週間でした。
(高等部3年女子)