マガモの親子「春になるとキャンパスのあちこちで新しい命が誕生します。」

マガモの親子「春になるとキャンパスのあちこちで新しい命が誕生します。」 マガモの親子「春になるとキャンパスのあちこちで新しい命が誕生します。」 マガモの親子「春になるとキャンパスのあちこちで新しい命が誕生します。」 マガモの親子「春になるとキャンパスのあちこちで新しい命が誕生します。」

毎年新入生が本校に入学する頃、キャンパスのあちこちで新しい命が誕生します。今年も中庭の花壇の茂みの中で卵を温めるマガモの母鳥の姿が見られました。教員室入口の花壇の茂みの中では雉の母鳥がやはり卵を温めていて、生徒達にも、「花壇には近づかないように。」とホームルームで連絡がありました。

 

生徒達が入寮した丁度翌日、「駐車場の横の池でマガモの雛たちがたくさん遊んでいますよ!」との報告がありました。中庭の茂みを確認すると、昨日まできれいに並べられて温められていた卵が、みな2つに割れてその殻がひっそりと茂みの中に残されていました。

池に近づいていくと、孵ったばかりの雛たちのかわいい鳴き声が聞こえてきます。10羽、いや、20羽近くの雛鳥たちが、ふさふさの毛をきらきら輝かせながら水の上を忙しそうに行き来していました。与えられた新しい命を嬉しそうに謳歌しているようにも、何をしていいのかそわそわと困っているようにも見えましたが、ひとつ確かなことは、いつも母親の近くで動き回っているということ―それぞれが思い思いに遊んでいるようにも見え、それでいて母鳥がスーッと水の上を移動すると、雛たちもまた忙しなくその後をついて行きます。卵から孵ってまだ数時間なのに母親を追う本能というのは凄いものです。

 

何羽かの雛が時々水から上がろうと試みていましたが、結局ズルズルズルとまた水の中へ逆戻り。小さな体ではまだそれは無理なのかな、思わず吹き出してしまいそうなくらい愛らしい光景でした。が、突然、母鳥が水から上がって岸の上へ。すると雛鳥たちは母親について一斉にバタバタと水から上がろうとします。何度も何度も失敗する雛もいて、思わず「頑張れ!」と声を掛けたくなりましたが、しばらくすると、皆無事に上陸完了。母鳥の後ろにお行儀よく並んで、今度は駐車場の方へ行進を始めました。なるべく音をたてずにゆっくりついていきますが、思いのほかマガモ親子の足どりは速く、気がつくとあっという間に車の間を通り抜けて体育館前の芝生まで移動。その間も母鳥が時々立ち止まっては辺りの状況を確認していましたが、その度に子供達もぴたりと行進をやめ、その場でそわそわと足踏み状態。頭数を数えてちゃんと点呼をしているのかどうかはよくわかりませんが、20羽近くの雛たちが1羽もはぐれることなく数百メートルの移動をしていたのにはビックリでした。

 

体育館の前を通り過ぎると、一行は金網の下をくぐってサッカーピッチの芝の方へ消えていきました。そんなに遠くまで行って、ちゃんと元の池に戻ってこられるのか心配でしたが、後で理科教員に聞いたところ、「一度出て行ったら、もうあの池には戻ってきませんよ、いつもは…」とのこと。今度あの池に戻ってくる時には、立派な親鳥として戻ってくるのかも知れません。