卒業生スピーチ 第3回「ここで家族のように一緒に生活していた日々を胸に頑張っていきたいと思っています。」

卒業生スピーチ 第3回「ここで家族のように一緒に生活していた日々を胸に頑張っていきたいと思っています。」
3月12日に行われた卒業終業礼拝。小学部、中学部、高等部合わせて45名の生徒が卒業しました。それぞれの学校の代表によるスピーチを3回に分けてご紹介します。第3回は高等部3年生。高校3年生は全員日本に帰国するので、この日が文字通り後輩達との最後のお別れでした。そしてその代表は、中学1年生の時から6年間を本校で過ごした女子生徒。時々こみ上げてくる思いに涙をこらえながら、終始さわやかな笑顔で後輩達に熱いメッセージを残してくれました。
本日をもって私たち高3、31人は卒業します。
思い返せば中1の春。6人でスタートしたこのクラスは男女比が5対1すなわち女子は私一人だけという特殊な環境からの始まりでした。クラスで女子1人の生活は他学年の女子との交流があったものの、精神的・体力的にクラスの男子によって鍛えられ、入ったときはごく普通の女の子だった私がいつしかたくましい女の子とまでに言われるようになってしまいました。そんな生活が2年間続いた後、ようやく3年目で迎えた初めての同学女子の入学は新入生が入るたびに期待と落胆の連続だった私にとって立教史上ベスト3に入る程うれしかった出来事でした。鐘の音で目覚める朝、チャペルに響く聖歌、本館に響き渡るピアノの音。入学した当時はすべてが初めてで新鮮だった立教生活は、なにもかもが初体験で、怖かった先輩から立教の伝統としきたりを引き継ぐことで一生懸命でした。高1になり新入生がたくさん入ってくると女子の人数は一気に7人に増え、それから高3までの間に男子15人、女子16人と男子の数を女子が追い越してしまうほどの人数になりました。6年間という長いようであっという間だった学校生活。しかしそれは、楽しいことばかりではありませんでした。高1で男女の仲が非常に悪かった私たちのクラスは、教室にいても男子と女子で会話をすることがあまりなく、いつも男女で分かれている状態でした。
そんな仲が非常に悪かった私たちに転機が訪れたのは2学期末の高3を送る会。みんなで初めて合唱した「旅立ちの日に」と男子3人がサンタクロースの格好で登場した赤鼻のトナカイはびっくりするくらい息がぴったり合っていて、クラス全体が団結したと感じられた始めての瞬間でした。そして3学期の体育でやったテニスコートでの雪合戦大会。みんなと本気でやりあった雪合戦は本当に楽しかった!寒い冬の雪の中でクラスに温かい新たな結束が根づいたようでした。それからは男女の中も少しずつよくなっていき、個性あふれるメンバーがそろううちのクラスではホームルーム前などに奇声と笑い声が響き渡るちょっと危ないクラスとなっていきました。しかし、それも常に平和だったというわけではありません。高3の球技大会ではチームの色のことからクラスのパーカーのデザイン、チーム決めまでなかなか意見がまとまらず、何度も何度も話し合いを重ねました。しかし、ひとつだけ最初から全員一致で決まっていたのはクラス全員の名前が入ったパーカーを作るということ。高1の頃からは想像できなかったようなことですが、高3が仕切る最後の行事ということもあり、みんなで楽しんでやっていきたいという気持ちがとても感じられた瞬間でした。ようやく、デザインもチームの色も決まり、意気揚々と始まるはずだった矢先におきたアイスランドの火山噴火。まさかの飛行機で来る生徒が全員こられないという事態は本当にびっくりしました。大キャプテンだった私も日本で足止めになってしまい、本当に心配しました。それでも無事に球技大会ができたのは先に学校に来ていたみんなが一生懸命準備を進めてくれたおかげです。短い練習時間の中でチームのTシャツを作り、人生で一番恥ずかしかったピンクスーパーマンやスーザンボイルの劇の練習と自分の球技の練習に明け暮れる毎日。今までで一番充実している日々でした。総合結果も300対300で同点という記録的な結果になった球技大会はお互いが全力を尽くした素晴しい結果で終えることができました。
個性あふれる私たちのクラスでは、常に足音を校内に響かせながら走り回っているKくんをはじめ、いっつもM&Mを持ち歩いていたMくん、初めての当直だった朝、張り切りすぎて朝6時に鐘を鳴らしてしまうという立教に新たな伝説を残したAさん、Sさんと、まだまだエピソードを言い出したら語りつくせません。
また、担任の先生たちも小川先生、三浦先生と山根先生、當山先生という生徒に負けないくらいこれまた個性あふれる先生方です。そんな私たちを学校は時には厳しく、時には温かく見守ってくださいました。こんな個性輝いていたクラスは他にありません。これから社会に出てみんなそれぞれ違う道を歩んでいきますが、ここで家族のように一緒に生活していた日々を胸に、この立教英国学院で鍛えた忍耐力と笑顔とパワーを胸に頑張っていきたいと思っています。
私たちが今までやっていけたのは先生方、先輩、後輩みんなの協力があったおかげです。本当にありがとうございました。
私たちは今日でこの学校を卒業するけれども、後輩のみんなはどんなときも笑顔を忘れず明るく楽しい立教生活を送っていってください。特に高2は来学期から正式に立教の最上級生になります。受験生というプレッシャーもあり、これからの1年間本当に大変だけど、来年の今頃こうして笑顔でここを卒業できるように1日1日を大切に過ごしてください。また、今まで授業や日常生活、進路や悩み事などをいつも親身になって考えてくれた先生、いつも学校のこと、迷惑かけてばっかりだったけど、やさしく見守り続けてくれた両親。みんなに感謝の気持ちでいっぱいです。
本当にありがとうございました