国語科より:高校一年生 現代文、「境目」エッセイ集 (1)

国語科より:高校一年生 現代文、「境目」エッセイ集 (1)

高校一年生の第一学期「現代文」は、川上弘美さんの「境目」という随筆でスタートを切りました。様々な「境目」を例に挙げながら、さりげなく「境目」に対する考察や独自の考えを述べていた筆者。読解後の発展学習として、各自ペンネームを使って「オリジナリティー」を重視した600字程度の「随筆」を書くことにチャレンジしました。学期末に完成した「2018年度 高一エッセー集」の中から、いくつかの作品を10回に分けてご紹介します。

 


「階段」

〈ペンネーム〉あいうえお

階段というと、ただ長く疲れるものと考えることが多い。しかし、全ての階段が辛いとは限らない。
私の家の近くには、長い階段の上に小さな神社がある。そこで毎年夏にお祭りが行われている。私は小さい頃から毎年かかさず行っていた。ただの長い階段だけではあきてしまうが、そこには途中とちゅうに出店があった。食べ歩きをしたり、射的をしたり、金魚すくいをしたり。階段の辛さを忘れられる。そしてあっという間に頂上まできてしまう。上から見る花火は、普段見る花火よりもきれいに見えた。そして、「こんなに上ったんだ。」という達成感も味わうことができる。また、「階段」は「人生」というものにも置き換えることができると思う。人生は長く、誰にでも疲れてしまうときはある。しかし、その途中に小さなことでも楽しいことがあれば頑張ろうと思い、前に進むことができる。その結果目標や夢などが叶うと、ものすごい達成感を味わうことができる。階段も人生も、景色や一緒にいる人が変われば、感じ方も変わっていく。
このように、辛いことも嫌なことも自ら工夫すれば楽しみに変えることができる。辛いか楽しいかは、工夫次第だと私は思う。