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立教生が綴る英国寮生活

1914年のクリスマス


クリスマス。それは家族全員でクリスマスツリーの前に集まって、主イエス・キリストの誕生を祝う、愛と幸せに溢れている、ドイツでは大切なイベントです。そんな聖なる夜の心が温かくなる話をこの冬休みにひとつ聞き、とても感動しました。

その話は1914年の出来事でした。1914年と言えば、7月にオーストリアの皇位継承者がセルビア人に暗殺されたことによって、第一次世界大戦が勃発した年です。今では「第一次世界大戦」と聞けば、とても残酷で恐ろしい印象がありますが、当時戦争が始まって、ロシアとフランス、また、フランスのサポートをしているイギリスに宣戦布告したドイツは、戦争があんなに醜いことになるとは夢にも想像していませんでした。誰もがすぐ終わる戦争だと思っていて、戦場に向かう男性は「クリスマスにはまた帰ってくるから。」と笑顔で別れを告げていました。
そんなドイツはロシアには見事勝ちましたが、一番勝ちたい相手でポイントとなるフランスとイギリスには勝利を収めることが出来ず、負ける前に撤退し、結果を出せないままクリスマスを迎えることになってしまいました。

本当は家族で温かい家でプレゼント交換をするはずだったクリスマスを兵士達は寒くて汚い戦場で送っていました。キリスト教を信じているドイツ、イギリス、フランスはクリスマスの間休戦することにしました。その時、30カ所以上で、不思議であると同時に素敵なことが起きました。その内のひとつの所では、ドイツが「サイレント・ナイト」を歌っていたら敵の方から拍手が聞こえてきて、イギリス人も歌うようになりました。お互い「メリークリスマス!」と伝えるようになり、ロウソクをいっぱい立てたと言われています。そして、兵士達が隠れ場から出て行き、戦場の真ん中に向かいました。敵と会い、一緒にタバコを吸って、楽しく話していたと色々な日記でこの頃の記憶が残されています。当時のイギリスとドイツの兵士が仲良く隣に立っている写真も実際に残っています。そんな平和な日々が1月まで続いていたという話もあります。

私がこの話を聞いて感動した理由は、これによって本当は戦争なんかしたくないという兵士の気持ちが伝わってくるからです。軍の指揮官に人を殺せと言われているからやっているだけで、自分の意志ではなくて、一回平和の日々が続いたら、もう戦争を始めたくないという人間性が感じられるからです。
第一次世界大戦で唯一人間は悪者ではないと思える瞬間でした。残念ながら、こういう出来事はそれ以上戦争では一回も起きませんでした。

1914年のクリスマスは、人間が人間らしく戻れた素敵な日だと思いました。

(高等部1年生 女子)
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