すごく懐かしくて、とても嬉しかった。何一つ変わっていなかった「絆」。

すごく懐かしくて、とても嬉しかった。何一つ変わっていなかった「絆」。
ついにこの日が来た。目を覚ますなり僕はとんでもない興奮に襲われた。4年に1度、小学校の時に6年間ずっと一緒にプレーをしてきた仲間達と又サッカーが一緒に出来るという素直な興奮やよろこびに浸っていた。
いざみんなと会ってみると、僕の興奮はMAXに達した。4年ぶりに会う人もいれば、1年ぶり、半年ぶりの人もいた。面影のある人もいれば、誰だこいつ?という人もいた。身長も伸びてすっかり大人っぽくなっている人もいれば、まだまだ子供っぽい人もいた。僕もまだまだ子供っぽい方だと思った。
でもひとつだけ変わっていない所があった。それは、このチームならではのバカげた所と、仲間のことを本気で思いやる気持ち、心配する気持ち、そういうみんなで6年かけて築いた「絆」は何一つ変わっていなかった。それがすごく懐かしくて、とても嬉しかった。正直涙が目にたまるのが分かった。
その後はみんなでホテルのバイキングに行き、どうでもいい話や冗談を言ってバカ騒ぎして、すごく楽しい時を過ごした。夜は4人ずつ4部屋に分かれて一晩中みんなで語り合った。
次の日はいよいよみんなが待ちに待ったフットサル大会当日。みんなの顔がキリッと引き締まった。ものすごい緊張感が漂った。全部で4チームに分かれて総当たり戦。いよいよチーム分けが発表された。みんなそのチームで優勝しようという意思が伝わってきた。
キックオフ、先制ゴールを上げたのは僕のシュートだった。僕はそのとき感じた。どんなに離れ離れでも、何年経ってもチームワークは全然昔と変わらない、そう感じた。それと同時に、ただただサッカーを心から楽しんでやっていた頃の自分を思い出した。学年が上がるにつれてサッカーを楽しむという気持ちは徐々に消えていった。でも、やっぱりそんなサッカーよりも、心から楽しんでやった方が良いプレーが出来ることに気づいた。
結果、僕のチームは3試合とも全ての試合に勝ち見事に優勝することが出来た。しかも僕は得点王とMVPの両方をもらうことができた。
僕は今でもその時の嬉しさを覚えている。
今でも僕たちはずっと心がつながってしっかりとした絆が、強い絆がある。そう思った。
次は又4年後。
(高等部1年生 男子)