「満たされる」

「満たされる」 「満たされる」
高3最後のアウティングは綺麗な晴れ空で風が少し肌寒い。ロンドン・アイに乗り込んで徐々に地面が遠くなる。もう何回目だろうか、そんなことを考えていた。皆がはしゃいでいる。なんだか子供みたいだった。それは私も含めて。2組だけとは言え、皆でどこかへ行くのも最後なのだと思うと少し寂しい。立教英国という特別な環境で、騒いだり、感動したり… そんな皆でしてきた当たり前だったことがもうなくなるのだから。
ロンドン・アイは少しずつ、けれども確実に高くなってきている。もう少しでてっぺんだ。遠くの景色まではっきり見える。もしイギリスに来ることなんて知らない昔の私を見たらこう言いたかった。
「18歳の私は、人生のてっぺんにいるぞ。」
本当に幸せな気持ちになる。
誰かが、「頂上に着いた!」と叫んで、群がる皆の元に私も駆け寄った。
ビッグ・ベンが太陽の光を浴びてキラキラ輝いていた。
(高等部3年生 女子)