最後の

最後の

 最後のアウティング、最後のミュージカル、最後のオープンデイ。私たち高校3年生は何をするにも”最後の”という言葉がつく。そこで私は過去を振り返ってみた。
 中学1年生、クラスはまだ8人しかいなかった頃。始めてのオープデイには小川先生が提案した猿蟹合戦を選んだ。しかし、誰一人放課後に作業する人はいなく、やる気のかけらも無かった。賞はもちろん1つ取れたか取れなかったかくらいのレベルだ。

 中学2年生に入り、9人に増えた。前年の失敗を活かし協力して、総合3位に入った。少しずつ活躍をすることが増えていった私たちだが、アウティングでは点呼をすっぽかしたり、ドミトリーのベッドを折ったりと、先生方には大変迷惑をかけた。

 中学3年生には新入生が大勢来た。オープンデイには分担して作業することができ、皆で上を目指した。今まで作れなかった模型や背景に挑戦し、結果はなんと1位。私たちは中学生で1位を取れたことに、非常に誇りを持った。そして私たちはフリープロジェクトやクワイヤーで、活動の場を広げていった。

 高校1年生。私にとっては一番成長できた学年であった。フリープロジェクトでパフォーマンス企画に入り、自分のやりたいことを見つけた。今まで何かに熱中することがなかったが、ダンスだけは今でも続けている。そして生徒会会長に立候補した。それぞれが役職に就き、いよいよ学校を引っ張る立場となる。

 高校2年生。生徒会にパフォーマンス企画、忙しくはなったがなんとも言えない充実感であった。ダンスの面では新しい分野に挑戦し、さらに上をめざしたいという気持ちにさせてくれた。オープンデイは生徒会のメンバーの大きな支えによって無事に終えた。入学した当時の頃と比べ皆が活躍している姿がキラキラとして見えた。

 高校3年生に入ると私たちの出番はなくなっていた。ジャパニーズイブニングもオープンデイも、アウティングなんて模試を受けてからだった。世代交代か、となんだか少し寂しかった。きっと虚しかったのはそれだけではなく、すべてに”最後の”という言葉が付いてくるからだ。

 振り返ってみると、成長できた部分や身についたことが沢山あった。生徒会ではリーダーシップ性、ダンスでは向上心、日常生活では協調性など。この学校でしかできない様な経験をさせてもらった。私を成長させてくれた先生や両親、そして友達には感謝の気持ちでいっぱいだ。その中でもまだ自分には欠けている、めげずに努力を続けることをこれからも頑張ってみよう。

(高等部3年生 女子)