14年間ありがとう、全部おいしかったです

14年間ありがとう、全部おいしかったです 14年間ありがとう、全部おいしかったです

自分の住んでいる所には、昔から近くにお肉屋さんがありました。どれくらい昔かと言うと、自分の両親が結婚する前に死んでしまった祖父が自分が今住んでいるところで自営業を営んでいた時ぐらいです。そんなお肉屋さんはもちろん僕が生まれたときにもいて、そのおじさんは幼稚園、小学校、中学校と、僕の小さなころから今にいたるまで、優しく接してくれました。

お祝いの日にはステーキ、クリスマスの時はチキン、体調が悪い時にはロールキャベツ、金曜日にはハンバーグ、色んな思い出がありました。おじさんにはいつもおまけしてもらったり、お肉屋さんが結婚したおばちゃんには大きくなってもお菓子をもらったり、ここには書けないくらい沢山の思い出があります。

そして4月9日の夜ごはんの時におじさんがなくなったことを知らされました。この一週間はずっと張り紙で『しばらくの間お休みします』と書いてあり心配していたときでした。先週の日曜日に倒れてしまい、すぐ亡くなってしまったそうです。金曜日には人気のハンバーグが売り切れていたので、またおいしいお肉を買って夜ご飯にしました。突然でした。母は自分が『お肉屋さんのハンバーグ、食べられなかったね。帰ってきたら食べようね』と何回も言っていたので、教えた方が良いと思って教えてくれたそうです。母も商店街のパン屋さんに教えてもらったそうです。

本当に突然でした。少し前には元気な顔を見ていたのでなんかとても悔しく、悲しかったです。14年間も自分を見守ってくれた人に恩返しもできなかったり、お葬式にもコロナでいけなかったり、とてもとても悔しかったです。またお肉屋さんのハンバーグ食べたいなとふと考えました。突然大切な人に会えなくなるのはこの人生では多いのかもしれません。

ふと、そんなことを4月11日の夜に思い出しました。最後にお肉屋さんに会ったときに「自分の隣の家の桜がとてもきれい。」と話をしていました。

(中学部3年 男子)