「税金の大切さ」

「税金の大切さ」
 普段はテレビでニュースなど見ない私は、立教に行ったら、もっと見ることがなくなると思っていた。しかし、立教では『新聞プロジェクト』というものがあり、そのおかげで毎週新聞を読むようになった。
 その中に目を引くような話題があった。配られた新聞の「消費税4月から8パーセント」という大きな見出しが目に入った。その記事を読みながら私は税金について考えた。「税金を取られる」という表現を耳にしたことがあるだけに、私は税金に対してあまり良いイメージを持っていなかった。実は私たちは様々な形で税金の恩恵を受けている。しかしその一方で「税金を取られる」というネガティブな発想があるのは事実だ。
 そこで私が疑問に思ったのは、「どうして日本と海外の間で、税金についての国民の意識が違うのか」ということだ。私たちが払っている税金の中で今最も身近なものはやはり消費税である。日本より消費税の税率が高い国はデンマークやスウェーデンで、25パーセントである。日本の消費税の税率より三倍ぐらい差がある。そう考えると日本の消費税の税率は低い方なのかもしれない。それなのに日本では多くの国民が増税に反対していた。一方で、デンマークの国民の中で、自分たちが払っている税金について不満に思っている者はあまりいないようだ。ネットで調べてみて、私は消費税の税率が高い国にはある共通したサイクルがあることに気がついた。デンマークの国民は、どこよりも高い税金を払っており、そして彼らの政治に対する関心はとても強いということだ。そのため集まった税金の使い道が広く国民に公開されている。すると、国民は自分たちが払った税金がどこでどう使われているのかが明確にわかるので、不正をする役人も少なくなる。「税金が必要なところへ必要な分だけ行き届く」ということは、社会保障や教育、医療制度などが充実することにつながるから、国の政治を信頼でき、高い税金でも国民は喜んで支払うのである。日本でもそんな仕組みを作ることができれば、高い税金にも納得できるのではないかと思う。
 日本は今、色々な方面で問題が山積みであると言われている。このまま増税を避けたところで何も進まない。初めはきついかもしれないが、その先にある満足を目指して増税をするべきだと言えば、国や社会はそのように動いていくはずだ。「税金を取られる」という表現から「私たちの税金で日本を支えている」というポジティブな考えを持つためには、もっと私のような学生一人ひとりが税金とその仕組み、そして使われ方といった全てのことについて関心を持つことが必要だと思う。
(高等部1年生 女子)