久しぶりのロンドン

久しぶりのロンドン
 サイエンスワークショップに参加する私を含めた四人は、リンネ学会、王立研究所、梶田先生の特別講演に訪れるべくロンドンに外出しました。
 リンネ学会とは、スウェーデンの博物学者カール・フォン・リンネに由来し、現存する世界で最も古い博物学の協会です。「自然選択説による進化論」は、リンネ協会の会合で初めて公表されました。
 そんな、世界を180度回転させた所に入ってみると、中は神秘的な雰囲気に包まれており、人がいるにも関わらず人気を感じさせない所でした。
 奥にある部屋でお話を聞きました。ここには昔、昭和天皇が訪れており、昭和天皇が座った席と同じ席に座った私たちは興奮していました。その後、私たちは地下に連れて行ってもらいました。
 地下には、銀行にあるような厳重な扉で閉ざされた部屋があり、金庫のように見えました。中に入ってみると、小さな図書館のようで、たくさんのお宝が敷き詰められ、入っていました。お宝とは、大量の古い書籍と多くの標本のことです。本は見るからに古そうで、その中の一冊を見せてもらうことができました。その本はSYSTEMA NATURAE の原本で、リンネによって書かれた本です。この本によって、自然選択説による進化論が生まれて、天地創造説を否定しました。
 私は人類が神によって創られたということはあまり考えたことはないのですが、この本を出版した時代、天地創造説が本当だと思われていたので、この時代にこの本を出版するという事は世界を敵にまわすということであり、そこから死んでしまうかもしれないけれど本当に伝えたというリンネやダーウィンの思いを感じ、リンネとダーウィンのすごさを改めて実感しました。
 世界を180度回転させるような発見があるということは、自分の今生きているこの世界にも、本当だと信じられているものが本当ではない可能性を秘めているんだなと思いました。
「無知というのは、しばしば知識よりも確信に満ちている。科学によってこれやあれやの問題を解決することは絶対にできないと主張するのはきまって知識がない人である。」
BY   チャールズ・ダーウィン
(高等部2年生 女子)