我家のロックダウン

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昨年は訪れる人もなく、ひっそりと咲いていたであろうブルーベル。今年は立教生の帰りを待っていたかのごとく咲き誇っていました。日差しにも恵まれた4月下旬、各学年で時間を作り、ブルーベル散策を行いました。感染症予防のため制限の多い日々の中にこうした息抜きの時間があることは生徒にとっても教員にとっても幸福だったようです。

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 桜も綺麗に咲いて散ったのを見届けてから帰寮した。コロナの問題でもう一年も経ったのに、状況があまり変わっていないのが少し残念に思った。昨年の12月はドキドキしながらPCR検査を空港で待ったのが昨日のように思う。

 家に着いてからはのんびりしようと考えていた。が、突然の家での緊急事態宣言で僕の休みは大変なものとなった。兄の受験のためだからだ。厚生労働省・文部科学省担当の母は衛生の面や学習計画でとにかく厳しい。経済産業省役の父はお正月などの僕たちへのお小遣いのやりくりで大変だった。僕は一国民として自分の部屋からなるべくでないよう自粛及び自主隔離をした。日が経つにつれて気の緩みからか、ふらっと部屋から出るとすかさずマスク警察母がやってくる。何役も任されている家族を見て、立教の先生も大変だったろうな、とふと思った。そんな日も続いたが、兄も無事受験が終わり我が家の緊急事態宣言も解除された。兄は毎日のようにお友達から接待を受け、経済産業省父も予算オーバーと言いながらも嬉しそうにしていた。僕はそんな光景を見て幸せを感じた。父たちも僕を頼るようになった。唯一任された役が気象庁だったからである。その日の花粉量を僕の鼻のムズムズと目の痒みを頼って今日の予報を聞いてきた。

 今回は新しい学年になる。まだまだコロナの問題で学校の中の様子は変わっていない。先輩には迷惑をかけないよう、しっかりと規則を守って生活をしていきたいと思う。そして下級生にはそのお手本の姿を見せたいと思う。心に寄り添える姿も忘れずに。家では、今後外務省の役を任されるためにも。

(高等部2年 男子)