中3国語で今道友信氏の「温かいスープ」を読んで国際性とは何かを考えました。ー第10回

中3国語で今道友信氏の「温かいスープ」を読んで国際性とは何かを考えました。ー第10回
国際性について
 私が考える国際性とは、いかに他国の人にやさしく接したり、親切にしてあげられるか、または隔てなく接するかだと思います。
 これが国際性だと思ったのは、ドイツでの体験がきっかけです。
 ドイツに来てまだ間もないころ、近所で見つけたイタリアンレストランへ家族で行ったときのことでした。そこのウエイターのおじさんは、小太りでとても優しそうでした。席に座って注文の料理が来るのを待っているとき、そのおじさんが私達のところに来て、自分は日本に住んでいたから日本語話せるよ、などと話しかけてきました。「オカネ、ナイ。コマッテルヨ」とか日本語で面白いことを言って笑わせてくれるのです。さらには、私が食べきれなくて残したポテトを見て、「もういらないの? しょうがないなあ」と言って、笑いながらお皿にのっていたポテトを食べたのです。それを見て私達家族も笑ってしまいました。この店を出たとき、日本じゃ初めて来たお客さんに、おもしろいことを言って笑わせたり、ましてや残したポテトを食べたりなんてしないなと思いました。
 それから、私が家のまわりの店がおぼえられないということで、街中で地図を片手に、母にどこに何があるかを教えてもらっている時でした。まわりの人からは、迷っているように見えたらしく、ある優しい夫婦が私達に声をかけてくれました。「何かお手伝いしましょうか?」と。私達は迷っているわけではなかったので、大丈夫ですと答えましたが、そのあと私と母は、「なんていい人なんだろう!」と感動していました。日本ではやっぱりこういう光景は目にしません。
 さらに電車の中でもすごいと思うことがありました。いつもの電車に乗ったつもりが、窓から見える景色がいつもと違って、違う電車に乗ってしまったとあわてていると、近くにいた人がそれを察したのか、声をかけてくれました。その人のおかげで私は目的地へ行くことができました。
 このように、ドイツで生活している間に、日本では見ない光景をたくさん目にしました。どれも日本人にはできないようなことばかりです。やっぱり日本人はどこか恥ずかしがっていて、相手が外国人ならなおさら話しかけたりすることができないのではないでしょうか。こうしてドイツで体験したことをふり返ってみると、国際性というのは相手がどこの国の人でも隔てなく親切にしてあげることだと私は思います。
(中学部3年 Mさん)