中3国語で今道友信氏の「温かいスープ」を読んで国際性とは何かを考えました。ー第9回

中3国語で今道友信氏の「温かいスープ」を読んで国際性とは何かを考えました。ー第9回
日本人が国際性を得るには
 思うに、国際性とはマイペースに生きるということではないだろうか。こう思ったのには理由があります。
 去年、私が短期留学した時、ステイ先の高三の女の子には彼氏がいた。高三だから彼氏ぐらいいるのは日本でもよくある話だと思うが、なんとたった一週間のホームステイ中に四日間くらいを彼氏を含めた三人で過ごしたのです。かなり放任されている感じに聞こえるかもしれないですが、私にとっては二人が話している間は「英語で話さなくてはいけないんだ」などといったことを考えずにテレビを見たりしながら一人でのんびり過ごせて、いい気分転換の時間でした。日本人にこんなことをする人は中々いないと思います。大抵の人は「他人の家から預かっている子なのだから気遣いを忘れずに。」などと考え普段よりきちんとしようとするのではないかと思います。ただ気を遣うというのは案外疲れるものだし、なにより遣われている方も逆に申し訳ない気がしてしまいます。こんな関係で仲良くなるのは結構難しいです。逆にホームステイ先の女の子のようにマイペースに生活していてくれていた方が、私も楽に過ごせますし、負い目を感じることもありません。
 なんだか例ではあまりうまく説明ができませんでしたが、簡潔に言えば、日本人は周りの評価を気にするため他人に対して気を遣いすぎだということです。他人だからといって自分の普段のペースを崩してまで気を遣う必要はないのです。むしろ自分のペースに巻き込むくらいの気持ちで過ごせばいいと思います。今道氏は人類は仲間であると書いていましたが、仲間というのは対等ということ。余計な気を遣っていてはそんな対等な関係を築くことなど到底不可能でしょう。
 また、今道氏は流れるような外国語などは国際性の本質とは関係のないというようなことを書いていますが、私は日本人の場合必要な人も多いのではと思います。今の世の中英語というのは公用語です。英語が話せるということは自分に自信を持たせてくれます。日本人はシャイな人が多いので他人と交流するときに自信を持っていることは大切だと思うのです。本当だったら、そんな強みになるものを自分の内から見つけられれば良いのですが、それができない人にとっては「英語を話せる」というのが世界に通じる強みであり、自信を持つきっかけになるのだと思います。そんなものを得てはじめて対等になれたと思える日本人も多くいるのではないかと、「国際性」ということを考えながら思いました。
(中学部3年 Kさん)