中3国語で今道友信氏の「温かいスープ」を読んで国際性とは何かを考えました。ー第2回

中3国語で今道友信氏の「温かいスープ」を読んで国際性とは何かを考えました。ー第2回
私が感じた国際性
今道友信氏の「温かいスープ」を読んだ中で、料理屋の母娘が主人公の大学講師に、パン二人前を一人前の料金で渡したり、温かいオニオングラタンを、「お客様の注文を間違えてしまったから、よかったら食べていただけませんか」と言って、差し出す場面があります。
 この時代の日本人は世界の嫌われ者で、この話の中でも、「日本人」というだけで部屋を貸してもらえない場面があります。
 私も身近な人が外国人に殺されれば、「外国人だから」というレッテルだけで追い返してしまうと思います。でもその後に罪悪感が少し沸く気がします。
 だからこの人がとった行動には同意するし、だからこそ、料理屋の母娘がとった行動は「国際性」という考えに則っていると思います。
 私は正直に言うと他人が苦手です。ご近所さんも変な人ばかりで苦手です。
 一人で留守番している時に必ず来るセールスの人なんか、インターホンごしに会話するのも嫌です。
 こんななので、外国人と接するのも少し抵抗がありました。けれど今はありません。
 きっかけは、保健室のレイさんでした。
 立教に来るまで外国人と話した回数は片手で足りるくらいでしたが、立教では授業やプライベートレッスン、ドミトリーで一日に一回は英国人と会話かあいさつをします。始めは英語が得意ではない私にとっては、苦痛でした。けれどある日、親と電話をしている最中にホームシックになって、泣き出した私をレイさんが抱きしめて「大丈夫よ、いい子ね」と言ってくれました。この時私は咄嗟に「ありがとう」と日本語で言ってしまいました。
 もう少し英語を勉強していれば、泣いている時でも「Thank You」ぐらいは言えたんじゃないかなぁ、と今でも思っています。
 それからは、レイさんの時でもバンクスさんの時でも、「英語が出来ないから」を理由に保健室に行かなくするのをやめました。身振り手振りと英語を使えば、お互いに何が言いたいのか分かるように、最近はなってきました。
 国際性の定義とかはあんまり分かりませんが、「温かいスープ」で母娘がとった行動、レイさんが私を抱きしめて励ましてくれた事、身振り手振りと英語を使っての会話は、国際性の一部なんじゃないか、と私は思います。
(中学部3年 Mさん)