たったひとりの長い夏への助走

たったひとりの長い夏への助走

平均気温19度、朝夕にはセーターを羽織らなければ肌寒い。まるで、日差しの澄んだ高原の、隠された避暑の村である。
他学年全てが帰宅して行った南英の、ひっそりとした学校での1週間、夢のような補習授業である。
国公立大学、難関私立大志望生徒対象に昨夏より設けられた夏期補習、今夏は30名の生徒が受講した。
7時起床、朝食、礼拝、1コマ90分の授業2つ、昼食、授業2コマ、休息・シャワー、夕食、自習、12時就寝、1日約10時間の学習となる。
開講講座は、物理・化学・生物・理系記述、英作文・長文読解・語彙力補強、世界史・日本史、小論文・記述現代文・古文となっており、受講講座のない時間は各自自習室で課題に取り組み、夜中近くまで質問をかかえ教員室にやってくる。
インターネットが伝える暑い日本の夏も別世界、同学年の仲間たちとの切磋琢磨を、帰宅してから迎えねばならぬ、たったひとりの長い夏への助走、としていったのではないかと印象した。