JICA国際協力中学生・高校生エッセイコンテストにて本校生徒が佳作に選ばれました

 JICA国際協力中学生・高校生エッセイコンテストにて本校が2年連続で学校賞を受賞するとともに、高等部2年2組の岩城優有さんの作品が佳作に選ばれました(https://www.jica.go.jp/hiroba/program/apply/essay/index.html)。総数48,435作品のなかから佳作に選ばれた岩城さんの作品は以下の通りです。コロナウイルスの脅威で忘れられがちな地球温暖化の問題に注目し、「with コロナ」の社会について考えた作品になっています。

 

 「新型コロナウイルスと地球温暖化」 立教英国学院 高等部2年2組 岩城優有
 世界中に新型コロナウイルスが蔓延し、追い打ちをかけるように新たな変異ウイルス「デルタ株」が感染を拡大させている今、日々のニュースはコロナウイルス感染症に関するもので埋め尽くされている。ふと頭に浮かんだのは環境問題についてだ。コロナ禍なる前はよく見た地球温暖化や森林破壊などについての問題はどこに行ったのかと思うほど目立たなくなってしまった。感染の拡大を抑えるのに今はそれどころではないのかもしれないが、こうしている間にも環境破壊は進んでいるためこのままではいけないと、数ある環境問題の中から最も深刻とされている地球温暖化問題の現状を調べることにした。
 新型コロナウイルス感染症の流行によって、2020年の二酸化炭素や温室効果ガスの排出が約7%と第二次世界大戦以降最も大きく減少したと発表されていた。感染の拡大をさせあいために人の移動が制限され、航空便や車での動きが止まったことが主な原因となる。
 私はこの記事を見た時、人の移動を制限すると、そのための取り組みである外出を自粛することがコロナウイルスの拡大防止にも、地球温暖化の対策にも効果があることに驚いたのと同時に純粋に嬉しく思った。外出自粛は手洗い、うがいやマスク着用などの他に私が特に行っていた感染対策で、自分がしていたことが今ある大きな問題の解決に繋がっていたと知ることができたからだ。
 しかし、これはあくまで一時的なものということに気づかされた。感染拡大を阻止するために行った政策は確かに二酸化炭素や温室効果ガスの排出量を現象させ、大きなメリットをもたらしたが、それは「環境問題」という観点から見てのことであって、「経済活動」という観点から見るとコロナウイルス感染症がもたらしたものは大きなデメリットとなると分かった。感染拡大を抑制させるためのロックダウンや渡航制限、外出自粛の導入によって、飲食店や観光業界、航空業界などは大きな打撃を受、経営困難に陥る状況となってしまった。経済活動を復帰させていくには人の制限を緩和する必要があるが、そうすればコロナ禍前の世の中となり、地球温暖化が進むことは間違いない。しかし、経済が停滞したままではいけないのも事実で、一日でも早くこの現状を打破しなければならないと思った。
 私は経済活動の再建と地球温暖化対策を両立してできることを考え、思いついたのはデジタル経済にすることだ。テレワークや電子決済など既に広まりつつある経済のデジタル化だが、これなら在宅勤務をすることによって、人の移動も制限され地球温暖化の対策になる。さらに職場のみならず、電子決済やネットショッピング、ネットデリバリーなどのサービス業もデジタル化し、今までの経済活動方法で経済を復帰させるのではなくデジタル化した社会で経済を再建するというのも良いのではと考えた。
 また、現在はワクチン接種が進み、少しずつだが人の移動制限を緩和し始めている地域もある。コロナウイルス感染症の拡大が落ち着いてからできる取り組みとしてもう一つ考えたのは、公共交通機関を使うということだ。電車やバスは車などに比べて二酸化炭素排出量が圧倒的に少なく、地球環境に優しい交通手段となっているため進んで乗っていきたいと思った。
 感染拡大を抑制させることがもたらしたものは大きく、特に地球温暖化問題については二の次といった扱いをされていると感じるが、私は経済の再建と地球温暖化問題を上手く両立しながら対策ができると考えている。そのために私ができることを一つでも行うことで、コロナウイルス感染症が蔓延する前の、更に地球温暖化対策がされている新しい未来へ繋がっていくと信じている。