はじめに
ケンブリッジ大学研修の案内があり参加を決意した私は、最初で最後となるこの研修がどのようなものか非常に楽しみにしていた。ケンブリッジ大学研修のスケジュールが発表された時、プログラムに劇の鑑賞やクイズ、パンティングなどのアクティビティが多かったことから、この研修は「遊び」に近い研修になると予測していた。しかし、実際は予想とは異なり「楽しむ」要素に加え「学び」の要素も備わっており、様々な活動を通して大学についてやケンブリッジという街に関する知識やものの見方を変えることのできるものだった。
ケンブリッジの歴史
この研修では様々な活動によって新しい知識を得る機会があったが、ケンブリッジ大学についてやKing’s College Chapelについてなどその殆どが知らなかったことであり、私は毎日のように驚いていた。ケンブリッジ大学には31ものカレッジがあり、それぞれの歴史や宗教上の理由などから女子のみのカレッジがあること、King’s College Chapelの歴史やヘンリー八世と二人目の妻のイニシャルなど、全く知らなかったことを知り知識を増やすことが出来た。Class roomでの授業やKing’s Chapelでのガイドの方による説明だけでなく、パンティングでも新しい発見があった。パンティングではガイドの方の説明を聞きながらケンブリッジの街を見たが、中でも私は「数学橋」という橋が記憶に残っている。ネジがない時代に木材のみで美しいアーチを形成していることに驚きを隠せずにはいられなかった。振り返ると、研修の一週間は授業中もアクティビティをしている間も常に学びの場となっていたと気づかされた。
エジプト考古学Dr Corinne Duhigによる講義
私はミイラやピラミッドについてのドキュメンタリーをよくテレビで見ていたため、Dr Duhigによる講義を楽しみにしていた。彼女が骨の発掘をしていることや、骨について調査しているという話は興味深かったが、私が特に感銘を受けたのは彼女の「好きなことをする」という言葉だった。私には進学したい学部がある。その学部に行きたい主な理由は、小学生の頃から興味があることを専門的に学ぶことができるからであり、私がやりたいこと「好きなこと」だからだ。しかし、高三になり周りも進路を本格的に考えている今、私の周りには将来就きたい仕事のためにこの大学・学部に入りたいと考えている友人が多い。私はまだ将来の夢が明確にないため、大学卒業後のことは特に考えず大学の進路を決めているが、本当に「好きだから」という理由だけで学部を決めて良いのか迷うことがある。そのような中、私はDr Duhigの言葉に強く心を打たれ自分が好きなこと、やりたいことをして良いと学んだ。加えて彼女の言葉は私の背中を押し、私に自信を与えた。
後悔
私はこの研修中、ケンブリッジ大学の学生に声をかけてみたり、ガイドの方に積極的に質問するなど受動的でなく能動的に行動したいと思っていたが、いざ声をかけようと思うと上手くいかず結局は一度も話しかけることが出来なかった。食事の時間などを利用してケンブリッジの学生と話している友人もおり、凄いと感心していたが、同様に行動に移すことは出来ないままこの研修が終わってしまった。しかしこの後悔は、この悔しさをどのように生かして能動的に行動するかを考えるきっかけとなった。
終わりに
この研修を通して、私は以前の私より成長することが出来たと感じている。しかし、その成長は些細なものであり、経験したことや失敗したこと、後悔したことを立て直すことで私は自分を更に高めることができると信じている。この研修は「楽しい」だけでなく、新しい知識に関することや将来のことなど多くの「学び」があった一週間であり、今の自分と向き合う機会を与えてくれたものとなった。
(高等部3年女子)