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立教生が綴る英国寮生活

魔物


基本的に人は意欲のない物事を行う時、どうしてもその速度は落ちてしまう。これまでの人生において、例外には未だ出会っていない。しかしその状態は、まるで考えつくされたかのように、意志とは裏腹に、たびたび僕に襲いかかるのだ。意志、という言葉には少し語弊があるかもしれない。その時点での意志は確実にその物事を拒絶しているが、ここでの意志とは、その時点より前の意志なのだ。

このような自分の中での、立志への逃避行はこれまで様々な形で僕の前に立ちはだかってきた。ないものねだりという言葉にまとめる事さえ可能なこの現象は、例を挙げるとするならば、一つの学期において起こりやすい。部活動が行えて、試合があって、まるで、今は部活動に専念しろと言わんばかりの状況下では、どうしてか勉強への意欲が湧いてくる。これならまだ良いが、ないものねだりと表したように、この現象には相互関係が存在する。

期末考査直前のある日、気がつくとふだんは面倒臭がる部屋掃除をしていた、ということはないだろうか。これはあくまで極端な例ではあるが、いざ勉強をせねばならない時に、他の行動への意欲が湧いてしまうことはきっと誰でもあるだろう。そして期末考査が終わり、返却されたテストを見て、何故だか勉強がしたくなるのも、この現象の一部であることは間違いない。

極々一般的ともいえる一連の感情の移行をわざわざ自分の中で勘考したのは、無論自分がこの「魔物」を取り払いたかったからである。高校二年へと進級して、これからは勉強に更に力を入れる、と心の中で高らかに宣誓した矢先にそれに襲われた僕には、憎くて仕方がない敵であった。まだ春休みではあったが、意気込みは完膚無きまでに潰されて、これまでと同様に、長期休暇をただぼんやりと過ごしてしまったのである。これから少しずつ現実味を増してくる大学受験を前に、まず争うべきは全国の受験生ではなく、この自分の中の魔物なのかもしれない。

(高等部2年生 男子)
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