立教英国学院

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立教生が綴る英国寮生活

社会学習を通して


この春休み、私は父の勤めている会社でアルバイトをしました。朝早く起きて会社へ行き、いくつかの雑務をこなして夕方に帰る。そんな生活を2週間、過ごしました。
 
父が勤めているのは車の部品会社なので、いくつかの工場が隣接しています。アルバイト初日には工場見学もあり、様々な機械がせわしなく動いて部品を加工している様子も見せてくれました。コンピューターが自動で機械をコントロールして、精密にすばやく一つのものを作り上げる。一体どうすればこんなシステムを生み出すことができるのだろうか、と目を輝かせながら見てまわりました。
 
その途中で、案内してくれている人がふと一つの扉の前で立ち止まりました。そしてこちらを振り返って、顔をしかめながら何かを言ったのです。工場内の音でうまく聞き取ることができませんでしたが、何か良くない事を言ったのだということは伝わってきました。その人が扉を開けると、中からものすごい悪臭がしてきました。聴けば、工場内のゴミを処理する場所だと言うのです。私は一秒でも早くここから出たいと思いました。正直、息もしたくない程でした。
 
しかし、悪魔はやはりいたのです。私は毎朝、そこの手伝いをしろと命じられました。もうこのまま抜け出して帰ろうかとも思いましたが、命令は命令です。私は重い足どりでその場所へ向かいました。
 
そこではおじさんが数人働いていました。その内の一人に、何をすればいい?と尋ねました。彼はマイクといい、まっ黒に汚れた作業着を着ていました。そこでの初めての仕事は、工場中にある捨てられたダンボールを回収することとなりました。集めたものはプレス機で一つの塊にして、リサイクルをしやすくするのだと教えられました。そしてこれからは毎日、ダンボールの回収をお前に手伝ってもらうと言われました。
 
始めの内はまだ、こんな所で働きたくないとか、早く帰りたいとか思っていました。が、毎日マイクの顔や、周りの人達の接し方を見るに連れて、私の考えは変わっていきました。彼は自分の仕事に誇りをもっている。そして様々な人から信頼されている、ということに気付いたのです。普通であれば誰もが嫌がる仕事。ただし、全員のために誰かがやらなければならない。マイク達はそんな仕事を任されていたのです。
 
私は今までにこういう裏で支えている人達の作文を何枚も書いてきました。しかし、今回の体験でそんな人達の重要性を身をもって感じました。全員が心地よく生活するために、全員が楽しむことができるために、全員が笑うことができるために...。私はその全員のための誰かになりたいと思いました。

(高等部2年生 男子)
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