「後悔」

「後悔」
正直、合唱コンクールが嫌いです。嫌いなんです。
でもいつも負けてから後悔します。
これがいつもの流れです。今回も相変わらずこの流れなんです。
いつものように男子のやる気はゼロ。女子のやる気は充分。
この男子と女子のやる気の差がその間に亀裂を入れる。
こんなことをつづけながら時間のない三学期の日々の中の限られた時間が
どんどん過ぎていってしまっていた。
まったく練習をしていない男子は全体で合わせても、うまくいくはずもなく
クラスで討論となった。それにも時間がかかる。
一時間を越える討論の中で下されたジャッジは「二番は歌わない。」
中学時代、学校自体がやる気に満ちていた僕には信じられなかった。
こういったことがおこるから「合唱」というものは
僕から遠ざかっていくのか、ということを思い知らされる出来事だった。
ぐだぐだ言っている間に合唱コンクール当日。
準備はまったくの不充分。この時点で後悔その1が僕を襲う。
「下手な歌を歌うのは恥ずかしい。」
なんて思ってももう手遅れなのだ。でも歌うしかない。
本番でどんなに大きな声を出しても練習の足りない僕らには美しいハーモニーは生まれない。
高校2年生の合唱を聴くと「うまい」の一言。ここで後悔その2がやってくるのだ。
本気でやっていれば越えられた「かも」しれなかった。
この「かも」にかけて本気を出せなかった僕にとっては悔しすぎる敗戦。
ここで1つのことに気付いた。僕が嫌いなのは合唱コンクールではなく、
「弱い自分」なのではないかと。
本気で取り組めなくて負けるからつまらない。だから嫌い。
本気を出して勝てばきっと好きになるのだろう。と気付かされた良い機会だった。
(高等部1年生 男子)