2010年度入学始業礼拝校長祝辞

2010年度入学始業礼拝校長祝辞
新入生の皆さん、入学おめでとうございます。そして前からいる生徒諸君、進学おめでとう。
さて、今ここには半分以下の生徒しかおりません。
先学期、1月の始業式の時には、大雪が降って大変でした。あのときは先生たちが全員で、3日間連続で雪かきをして、何とか学校を始めることができました。今日はアイスランドの火山の噴火で空港が閉鎖になり、飛行機で来る生徒は帰って来られませんでした。入学式を延期する、ということも考えましたが、いつまた噴火するかもしれないし、かわりの飛行機便をとるのがとても大変だときいていますので、とりあえず今日、今ここにいる人たちだけで入学始業礼拝を行うことに致しました。もしかしたら春休みがのびるんじゃないか、と期待していた人たち、残念でした。ちゃんと授業も始まります。
飛行機が飛べるようになったら、これからみんな少しずつ帰ってくることになると思いますが、そのたびに必ず教員が空港まで迎えに参ります。当分の間、毎日誰かが空港へ迎えに行くことになるかもしれませんが、それが立教です。
朝起きたときから夜寝るまで、いつも先生が一緒にいて、君たちの中にはああうっとおしい、しつこい、うざい、と思う人もいるでしょう。
しかし、それが立教です。
昔々、40年も前、私が通っていた日本の高校は、全校が1500人、1学年が10クラス、1クラスに50人、クラスが違えば知らない生徒も知らない先生も沢山いました。高校1年のときに先生に質問したら、そんなことは自分で考えろと言われました。立教は違います。全員が全員の名前と顔を知っている。1番多いクラスでも31人、そこに担任、副担任と複数の先生がついて、1日の生活を生徒と一緒にすごす。
それが立教です。
先生に分からない事を質問すれば、どんな難問でもたちどころに答えてくれる、かどうかは分かりませんが、必死に解いてくれることは確かでしょう。私も昨年度は高3の担任で、しょっちゅうクラスのNさんに、京大の物理の問題を質問されたりしましたが、結構それが楽しみでした。いい頭の体操、老化防止になりました。
毎週となえている立教英国学院特祷、今日もあとでみんなでとなえます。今日の式文の裏にのっています。この立教英国学院特祷は、日本聖公会の大久保主教によって捧げられた本校のための祈りです。この中には、「教える者と学ぶ者とを祝福し、共に知識を深め、主の真理と愛とを悟らせ、常に謙遜の心を抱いて、唯一の父である主を仰ぎ、互いにいたわり、互いに励まし合うことができますように。」とあります。私はここの、教える者と学ぶ者とが、互いにあいいたわり、互いにあい励まし合う、というところが大好きです。教える者と学ぶ者とが、互いに支えあいながら毎日の生活を共にし、常に現在進行形で日々学校を創り続けていく。それが立教だと思います。
高等部3年生、君たちの赤ネクタイは高3としての証、高3としての責任の重さの証です。しっかり後輩の面倒を見てあげてください。今年はどんな高3として卒業していくのか、どんな最終進化をとげていくのか、とても楽しみにしています。もう球技大会が目前に迫っていますが、大キャプテンがまだ帰ってきていません。果たして無事に開催できるでしょうか。
高校2年生も、生徒会のメンバーがまだ帰ってきていません。君たち一人一人が、自分のことだけではなく、学校全体のことを考えて行動しなければなりません。
これからの1年間、学校の中心として、どうしたら後輩たちが、いきいきと楽しく生活していけるか、そういうことを考えていくのが君たちの責任です。
立教生一人一人が、この学校をよくしていくために何ができるのか、友達のために何をしてあげられるか、先輩のため、後輩のため、一緒に生活している人のために何ができるのか、いつもそういうことを考えながら、これからの生活を送っていってほしいと思います。
君たちの成長を祈って、本日の入学・始業礼拝式の式辞といたします。