情景が心に浮かび感動が伝わる作文を書こう!小学校作文授業第1回:「雪が降った」

情景が心に浮かび感動が伝わる作文を書こう!小学校作文授業第1回:「雪が降った」
 小学校六年生の国語の授業で、星野道夫さんの「森へ」を読みました。自分たちが行ったこともないアラスカの自然、森の様子が、まるで自分たちが足を踏み入れているかのように読み取れ、思わず感動した生徒たち。カメラマンである筆者の撮影した写真も無論イメージの手助けにはなっていましたが、擬音語、比喩表現、問いかけ、感嘆文といった、文章上の工夫が多くなされていることに気がつきました。そこで、自分たちもこうした表現をできるだけ取り入れて、第三者が読んでも情景がイメージでき、自分たちの感動が伝わるような文章を書いてみよう、とチャレンジしてみました。
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朝、朝食を食べるために外に出ると、そこはすでに銀色の世界だった。そして思い出した。ああ、そういえば、昨日から雪が降っていたんだ。
ぼくは雪を踏んだ。サクッサクッー。とても冷たい。ぼくは地面に手を伸ばして雪をつかんだ。ヒヤッとした。やっぱり冷たい。ぼくはさっそく雪玉を作って投げ始めた。ドサッ、バサッー。当たってくだけるとはまさにこのことだ。当たると光のつぶのように消えていく。
雪合戦にあきて、また雪の上を進み、ウサギの住むデコボコだらけの原っぱへ向かう。でも、原っぱとはいっても、この日は草ではなくて雪の原っぱ。誰も踏んでない。さて、今度は雪だるまを作ろうかな?それともかまくらがいいかな?次の遊びへ出発だ!
雪が降り積もってから三日目。
今日もぼくは雪が積もっているのを見て、授業の後、外へ駆け出して行った。そして雪の上に乗って、五分間ぐらいボーっとしていた。そしてある考えが浮かんだ。そうだ、かまくらを作ろう。
すぐに跳び下りた。そして除雪して集められた、大きな雪のかたまりを掘り始めた。ザクザク、ガリガリー。音を立てながら掘り始めた。まるでカキ氷を手でつかんでいるかのようだ。掘ってはかき出し、かき出しては掘りをくり返して、やっと僕ぐらいの背の高さでも一人入れるぐらいの大きさまで掘ることが出来た。
入ってみる。冷たーい。でも中は意外と暖かい。もうちょっと掘ってみようかな。うわっ、硬い。あれ?ちょっと掘ると今度は軟らかい。まるで地層のようだ。硬いところと軟らかいところ、ちょっと硬いところ、色々な雪が交互になっている。もう少しで完成だ!そう思った時、あたりはもう暗かった。
(小学部6年生 男子)