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立教生が綴る英国寮生活

「うちらのソフト」〜 球技大会 〜




 まばゆい太陽の中から、まるで皆既日食のように、かたや隕石のように、それはスローモーションで降ってきた。

 土曜日は雨が降るらしい。礼拝で校長先生の口から出た言葉に、私は何も感じなかった。普通球技大会当日に雨が降るとなると、気落ちするところだろう。特に種目はソフトボールだったので、そう思っても何ら不思議はない。それにも関わらず無関心だった理由は、ただ「出たくない」という気持ちからだった。それというのも、私のチームは練習試合で一度も勝ったことがなかったからだ。凡ミスが多く、飛距離はなく、ミスをすればするほど気力が削がれていく。そんな悪循環の中で、私はただやるせなさを感じていた。

 金曜日、前日練習の日、私はこの日を良く覚えている。一人ひとりの弱点と、バッティングの強化。その日、初めてしっかりと、お互いに改善点を言い合うことができたのだ。普段接点がない者同士は、お互いに思っていても口には出せない。だから、端から見れば大したことでなくとも、私達にとっては、とても凄い進歩だったのだと思う。

 球技大会当日は曇天模様からのスタートだった。しかし、前日に生まれた士気のおかげで、天候など取るに足らないものだった。もう無関心などではなく、勝ちたいという思いで、外野にどっしりと構えた。

 声を張り上げながらも、私はどこか冷静だったのだと思う。ダブルプレー。それは人生で初じめての出来事だった。外野で構えていると、薄汚れたはずのものが、太陽の光を反射して、私の目をくらませながら、流れ星の様に、しかしゆっくりと、手の中に降ってきた。フライ、ワンアウトだ。まだ二塁ランナーは戻っていない。私の頭はこれまでになく冷静に、貪欲に勝利を求めた。

 試合が終わった瞬間、半信半疑だった私たちは、勝利を確かめ合うように円陣を組んで叫びまくった。全員で連絡を取って、気迫負けしないように常に声を張って士気を高め合い、手に入れた勝利。ただただ嬉しかった。

 今回の球技大会は、今までになく、大切な経験を与えてくれた。まず一つに、高2という立場の難しさだ。先輩だけに任せるわけにはいかず、下級生へのアドバイスに気を遣ったりと、大変だった。しかし今回、本気でぶつかれば、相手も本気で答えてくれることを学んだ。遠慮や気遣いばかりするのではなく、本気を見せつければいいのだ。二つ目に、私たちは叱咤激励を繰り返し、お互いの役割や士気を再確認していく中で成長するということだ。正直私たちが勝つことができた大きな要因は、チームワークと声によるものだと思う。何よりも自分を、仲間を鼓舞することで一体感が高まったのだと思う。これらは綺麗事と思われがちだが、球技大会は、これらの言葉が本当のものであることを、本気で取り組んだ者にだけ教えてくれるのだ。

 それは実は、私たちが自ら掴みに行ったものなのかもしれない。

(高等部2年生 女子)
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