「球技大会」

「球技大会」
 今まで、学校の運動会や体育祭といったスポーツ関連の行事に参加したことは何度もあったが、立教英国学院の球技大会ほど積極的になったことはなかった。
 運動部に所属したことがなく、特にスポーツが好きでない自分にとって、放課後に球技の練習を何時間もすることは、練習シーズンが始まった頃、とてもきつく感じた。しかし、学期がはじまって一週間が経とうとした頃、一日の流れが急に加速していくように感じることにあわせて、球技大会の練習が自分の一日のサイクルの中の一つとなって、それが当たり前のことになっていった。気づけば、練習を楽しんでいたくらいだ。
 自分が参加する球技大会はバレーボールだった。過去に経験がある球技は野球しかなかった(といっても小学校の頃に三年程度だが)ので、第一希望はソフトボールだった。しかし、抽選か何かで落ちたのか、第二希望のバレーボールをやることになった。嫌だった訳ではないのだが、経験の無いスポーツを二週間程で試合ができるまでに上達させられるのか、という不安を抱えてのスタートだった。最初は、アンダーボールでボールを返すときに、腕がとても痛かった。ところが数日もすると、そんな不安や痛みはどうでもよくなっていた。先輩やバレーボール部員とやっていくうちに、バレーボールという球技が自分の中に浸透していた。
 当日、男子バレーボールでは、各々が好きな背番号をつけたTシャツを着て本番に臨んだ。色んな人にTシャツにメッセージを書いてもらった。敵味方関係なく、だ。立教英国学院の球技大会は、試合の勝敗はもちろん大事だが、それよりも皆で放課後の時間を費やした成果を敵味方なく共有し、互いを理解するためのものだと、ふと自習時間中に振り返りながら考えている自分がいる。
(高等部2年生 男子)