運命のアウティング

運命のアウティング

僕にとって立教で残されたアウティングはあと2回。今回のアウティングは僕の人生を大きく動かすものになるかもしれない。

僕たち理系班6名はUCLの山本先生による進化発生学の話を聞かせてもらった。山本先生の話は洞窟に住んでいる魚の話、進化の話であった。僕は進化論には大変興味がある。僕は生物を選択していたおかげで話をしている内容は自然に自分に入ってくる。しかも、授業で勉強したばかりのところだった。山本先生の話はとても興味深い。時間が経つにつれて前のめりになっていく自分の姿に気がついた。洞窟にいる目のない魚。そしてそれを解明するための実験の話。どれもこれも面白い話ばかりだ。
先生の実験の一つに目の無い洞窟魚に目を移植する話があった。驚くべきことに目は見えないけれども、目が形成される実験を紹介された。僕は、話を聞いているうちに他の動物、例えば人間に近い猿などもレンズをアポトーシス(移植)すれば同じようになるのかということを想像していた。生物のことをもっと研究ししたい、知りたい、そんな気持ちで一杯になった。話を聞いているうちに、僕は研究室で生物を研究する自分の姿を夢見ていた。僕たちは話の最後に先生の実験室に行き、先生がメキシコから採集してきた洞窟魚やその子供達を見せてもらった。目がないことで少しグロテスクな感じはあったものの、でもそれもよく考えると、何百万年も何億年もかけて出来上がった姿と考えるとそれもまた興味深くそして美しい。僕は数枚の写真を撮りそのラボを出た。

少し話が変わるが僕は運命という言葉が好きだ。僕はこうとらえる、進化とは運命であり運命が今の僕たちであるので僕の運命も既に決まっているのかもしれない。
(高等部2年生 男子)