ラスト・オープンデイ

ラスト・オープンデイ
六日間という長いようで短かった補習を終え、高校三年生は我々にとって、最後のオープンデイの準備を開始した。お互いがお互いのことをよく分かっているためか、準備は手際よく進み、特に大きな問題もなく、完成へと向かっていった。ここでいう完成、高校一年生、二年生のころは、自分のクラスの展示が出来上がることを完成と呼んでいた。だが、お客さまが喜んでくれる顔を見ることが、今年の完成なのだ。
当日、昨年とは違い、天気にも恵まれた最後のオープンデイ。今までとは違い、今年は一日中働きっぱなしだった。私は食べものをつくる仕事だった。自分たちがつくったものを食べてくれる喜び、そしておいしいと笑顔になってくれるお客さまを見ているとき、私たちの作品が完成したんだなと感じる。
今年、高校三年生として我々ができることは、一人でも多くのお客さまに笑顔になっていただくことや、立教生は親切で礼儀正しいと思ってもらうこと、そしてまた来年も来たいと思ってもらうことだと思う。我々にとってのラスト・オープンデイ。お客さまも楽しんでくれたし、我々も楽しめたと思う。今までで、一番短い一日だった。
(高等部3年生 男子)