2017 Cambridge UK-Japan Young Scientist Workshop体験記②

2017 Cambridge UK-Japan Young Scientist Workshop体験記②
「質問をしろよ。」
おそらく、このケンブリッジのワークショップで一番聞かされた言葉だろう。僕は普段、人の話を聞き、質問をするタイプではない。きっとどこかで、いや意識して「誰かがやってくれる。」と、人任せにしていただろう。もちろん今回もそのつもりだった。
だが、そんな簡単に事は進まなかった。最初にホールに集まったときに、主催者や関係者などの人のお話があった。その後には、お話の長さぐらいの質問の時間が設けられた。あげくの果てには、「日本人が質問するまで終わらない。」と、言い出した。その時は、違う人が質問をしてくれた。しかし、僕も流石に「いつか僕に回ってくるので、次は質問を考えておこう。」と、感じていた。それは、思っていた以上に難しいものだった。普段、そういった事をやらない僕にとって、随分の難問だった。質問をするかしないかには関係なく一つ質問を作る。これを繰り返した。それからは、何回か名指しで当てられる機会や、自分から手を挙げる事もあった。正直、そういった毎日にストレスを感じていた。しかし、悪いことだけではなかった。質問を考えながら話を聞くことによって、より内容を理解しようとするため、以前よりも人の話が興味深いと感じるようになった。そして、何より英国人がたくさんいる中で自分が口にした英語が皆に理解されることでさらなる自信や嬉しさが込み上げてきた。
今まで、「質問」とは、ただ分からない事をスピーカーに聞くだけの事かと思っていた。しかしこのワークショップに参加して、それは自分がスピーカーに「私は、あなたの話を聞いていますよ。」という意思表示をしている事と同じだ、と感じることができた。それと同時に、今まで自分は質問されることが嫌いだったが、質問されるということは、僕が伝えたい事に相手が興味を示してくれている、ということだと分かった。そう考えると、その人のためにも、質問の答えがわからなくても「わからないです。」ではなく、自分の予想だけでも答えるべきだと感じるようになった。
(高等部2年生 男子)