2019年度入学始業礼拝を執り行いました。

2019年度入学始業礼拝を執り行いました。 2019年度入学始業礼拝を執り行いました。 2019年度入学始業礼拝を執り行いました。

4月14日(日)午後3時から本校チャペルで2019年度入学始業礼拝を執り行いました。

今年度は小・中・高合わせて56名と、例年以上に多くの新入生が加わり、
立教英国学院生は169名となりました。

礼拝では、校長先生から新入生一人一人にブレザーにつける校章が手渡されます。
名前を呼ばれると、とても元気よく、「はい」と返事をしていたのが印象的でした。

立教英国学院ももうじき創立50年の節目の年を迎えます。
歴史的にも重みのある校章を受け取り、立教英国学院生の一員となった彼ら、
また彼らを大家族の一員として受け入れた在校生たち一人ひとりが、
この礼拝を通じて気持ちを新たにし、新年度をスタートさせます。

以下に岡野透校長先生からの祝辞を載せます。

ーー
新入生の皆さん、入学おめでとうございます。そして在校生の諸君には、進級おめでとう。そして私にとっては、今ここで校長就任式があったように、この4月は校長としての第一歩を踏み出す新たな挑戦の始まりとなります。君たち新入生が緊張と不安と期待の中で今いる気持ちと同じ気持ちを私はここで味わっています。

ここ南英の地に、初代校長であり創立者である縣康先生が本校を設立したのははるか47年前の昔、1972年4月5日です。その当時日本人学校の多くはまだ設立されていませんでした。英国に日本の学校をそれも全寮制の学校をつくるという世界で初めての斬新的で、画期的な縣先生のお考え、発想には今でも頭を下げざるを得ません。学校をつくる目的は二つあったと聞いています。一つは日本の次世代を担う若者に国際的な素養を身に付けさせること、もう一つは外国で暮らす日本人駐在員子弟のために日本のカリキュラムに沿った教育を施すために、キリスト教に基づいた教育をすることです。縣先生は日本の立教高校で校長先生をなさっていました。この立教という学校は160年前に英国国教会の流れを組むアメリカ聖公会から派遣されたチャニングMウィリアムズ主教によって、東京築地の地に設立されました。その英国国教会の流れを組む立教という学校が1972年に再びここ英国の地に戻ってきたことに大きな意味と運命を感じざるを得ません。

この47年間、立教英国学院は3000名を超える卒業生を世界に輩出をしてきました。1期生の年齢は50代後半となり、多くの卒業生が会社、組織の中心として世界の中で、そして日本の中で、正に国際社会の先駆者として活躍をしています。この頃多くの卒業生が学校を訪問してくれます。これから就職を前に、転職を機に、結婚を機に自分のパートナーに自分の母校を見せに来たり、自分の息子娘に自分が育った学校を見せに来たり、出張の折に、そういう人生の折り目折り目の時に、多くの卒業生が本校を訪れてくれます。自分がこの学校で何を学んだのか、若い時に何を考え何を悩んだのか、母校を訪れることで、自分の原点がどこにあったのかを確認しに来るのではないかと思います。そしてそんな学校に自分の心の故郷を感じるのではないかと思います。

そんな立教の魅力は何なのか。はっきり言って立教には何もありません。最新のコンピューター設備もないし、日本の友達と結びつけるラインのWIFIもありません。寮に行けば、ベッドがあるだけで、勉強机も自分のプライベイトな場所もありません。でも、外を見まわして下さい、立教は豊かな自然に囲まれています。四季折々の姿を疲れた君たちに見せてくれます。もっと大切なことは君たちは多くの仲間に囲まれて過ごしています。古くからいる生徒は、自分が苦しい時に、悩んでいる時に、多くの言葉をかけてもらったり、にっこりと笑いかけてもらえる仲間の存在にどれほど救われてきたかを感じていると思います。携帯もラインも使えないこの場所で、人と人との本当の接し方を学んでほしいと思います。この立教では、ラインでスマイルマークを友達に送る代わりに、目の前の友人に直接ありがとうと言ってにっこりと笑ってあげることに何十倍の価値があることを体験して下さい。

今年度は国際交流に重点を置きたいと考えています。英国にある本校が生き残るためには英国の現地校との交流を通して諸君の英語力を高めていく道しかありません。WealdSchool,ForestSchool,RoyalGrammarSchool,GeorgeAbbotSchoolへの現地校への短期留学、ケンブリッジ大学、京都大学、東北大学でのサイエンスワークショップ、UCLロンドン大学での英国大学体験プログラム、1月17日に教育連携を結んだCollyersCollegeとのスポーツ交流、文化交流、教員交流、タンザニア女性自立支援のためのTanzaniaProject、ミラー先生によるリサーチプロジェクト、立教とCollyersCollegeジョイントベンチャーとして、9月27日には日本の大学を招待しての大学フェアの開催も企画されています。英国大学進学コースも、UCLロンドン大学、サリー大学との進学協定に始まり、今年度からはキングスカレッジ、レディング大学、サセックス大学との進学協定の締結も目指しています。年4回のケンブリッジ大学研修では、英語語学研修、ケンブリッジ大学体験、フェローと呼ばれる大学教授が集まる部屋でのテーブルマナー教室、日本文化のルーツを学ぶ書道、華道、茶道、三味線教室、日本文化紹介も企画されています。これらの活動、体験が求めていることは、君たちの未知の領域への挑戦です。自分ができることの枠の中での活動ではなく、自分ができないことへ積極的に挑戦をしていく君たちの姿を期待しています。挑戦して、失敗して、ボロボロになって立教に帰ってくる君たちの姿を期待しています。そこから本当の意味での勉強、学ぶということが始まると私は確信しています。

後3年すると、この立教は記念すべき50年の誕生日を迎えます。その新たな50周年を見据えての歩みがこれから始まると考えています。次の50年への新たな発展のために君たちと一緒にここ立教で過ごしていきたいと考えています。