晴れのち雪で迎えた卒業式。

晴れのち雪で迎えた卒業式。 晴れのち雪で迎えた卒業式。
3月5日(土)、2015年度卒業終業礼拝が執り行われ、小学部3名、中学部17名、高等部41名、計61名が卒業しました。
高等部3年生は大学受験のため日本に帰国していましたが、卒業式に参列するために10名の生徒が帰寮し、久しぶりに再会する後輩達、先生方との最後のひと時をすごしました。
当日は朝からかなり冷え込みましたが雲ひとつない快晴、キリリと引き締まった空気が気持ちの良い朝でした。が、式間際になると高いところからチラチラと白いものが舞い始め、まさかの雪。3年前の入学式に、桜が満開だったことを思い出して、「始まりは桜、最後は雪でしたね。」と感慨深げに言っていた高校3年生もいました。
式は毎週生徒たちが日曜礼拝に参加する地元ラジウィック教会のキング司祭による司式、クランレイ教会のフレット司祭の補佐で執り行われました。ロンドンはもちろん、はるばる日本から式に参列するために来校された保護者の方々、在ロンドン日本国大使館総括公使兼総領事の宇山様、地元ホーシャム市議会副議長のミッチェル氏、その他沢山の方々にご参列頂き、多くの皆様から祝福されて温かい雰囲気の中で式が進行しました。
式の中で、難民とその他の被災者のため、また5周年を迎えた東日本大震災を覚えて祈りを捧げました。卒業証書授与の前には例年通り、校長からチャペル後方に飾られたお雛様の説明がありました。第1回卒業生のうち2名が、日本にいて卒業式に参列出来ない友達を代表してはるばるイギリスの地に運んでくれたというお雛様。以来38年間、毎年その場所から静かに式を見守っていてくれます。その話を聞くたびに後輩の生徒達は、日本にいて式に参列出来ない先輩達の事を思い出し、そして同時にあと何年かしたら自分達も同じように日本からこの卒業式のことを思っているのだという不思議な気持ちになります。そういう長い時間が、そして、長い距離がとても愛おしく思えてくる、そんな厳かで静かな時間の中で、卒業生が1人ずつ校長先生から卒業証書を受け取りました。
その後は年間・学期を通して優秀な成績を修め、たゆまぬ努力をしてきた生徒達に各賞が授与されました。英人スタッフからはユーモアあるコメントを添えてEnglish prize, History prize, Music prizeが贈られ、ミッシェル市議会副議長からは地元との交流に貢献した2名の生徒にAmbassador awardsとして大きなカップが手渡されました。
続いて本校の第8期卒業生であり理事でもある須藤氏と、宇山様よりご祝辞を頂き、未来を担う国際人として本校生徒達が世界で活躍していく夢を託されました。そして演奏ーー高校2年生女子生徒の美しいソロソプラノで始まったクワイヤーの曲に続き、2台のピアノによるデュエット、そして最後は1月の校内合唱コンクールで優勝した高等部2年1組による合唱でした。地元の教会でも大好評だったこの曲は、静かにゆったりと始まりながら、時に力強く、そして時に優しく響き、参列している方々から大きな拍手を頂きました。
最後は各校代表生徒によるスピーチ。立教での体験を素直な視点から話してくれた小学生のスピーチ、ユーモアを交えて本校ならではの中学校生活を語ってくれた中学部3年生のスピーチ、そして最後は高等部3年生が内容も語り口も素晴らしい英語のスピーチで締め括ってくれました。卒業までの苦労話、忘れえない感動の瞬間、立教の友達や先生方のこと等々、皆で一緒に過ごした一瞬一瞬が鮮やかに蘇り、今年もまた素晴らしい卒業生達が次のステージに向かってスタートを切る勢いと頼もしさを感じることができたスピーチでした。
式が終わる頃には雪もやみ、落ち着いた曇り空。ランチョンの後は再び気持ちのいい晴れ間がのぞいたかと思うと、再び小雨…        人生には様々な時がある如く、目まぐるしく移り変わるこの日の天気が、今卒業を迎えた若者達の限りない可能性を象徴しているかのようでした。