OPEN DAY 2014:毎日の生活で少しずつ培われている「立教生らしさ」の集大成

OPEN DAY 2014:毎日の生活で少しずつ培われている「立教生らしさ」の集大成 OPEN DAY 2014:毎日の生活で少しずつ培われている「立教生らしさ」の集大成 OPEN DAY 2014:毎日の生活で少しずつ培われている「立教生らしさ」の集大成

11月2日はOpen Day。学校外からお客様をお招きし、Rikkyo Schoolを知っていただく、立教の一年間で最も大きなイベントです。天候はあいにく雨でのスタートでしたが、今年も近隣に住む英人の方々を中心に多くの方にご来場いただき、校内は大賑わいでした。バザーや古本市をはじめ、和菓子、焼き鳥、手作りパンなど、キッチンや店舗を支えていたのは父母の会の方々と高校3年生です。高校3年生は、短い期間で店舗の設営をしてくれました。忙しい中本当にお疲れ様でした。

Open Dayはたった一日で終わってしまうのはもったいないと思えるほど、生徒たちの思いと情熱が詰まっているイベントです。この1日の為に、1学期や夏休みから構想を練り、何度も話し合いを重ね、そして当日1週間前からは朝から晩まで一日中を準備に費やします。完成した展示を目の前に、達成感で言葉にならない生徒も多かった様子。ここで、各クラスの企画を紹介いたします。

 

小学生「みんな大好きドラえもん」
日本を代表するアニメ「ドラえもん」を紹介する企画です。少人数にもかかわらず、私たち日本人も知らなかったドラえもんの魅力がたっぷり詰まった展示でした。紙粘土で作った「ひみつ道具」にはイギリス人のお客様も興味津々の様子でした。

 

中学部1年「猿蟹合戦」
日本の民話「猿蟹合戦」のストーリーを、モザイクと模型で紹介。名前を聞いたことはあっても、どんなストーリーだったのかを知らない生徒もいた様子。壁いっぱいに書かれた背景と、紙粘土で作られた模型で、教室に入るとまるで絵本の中にいるような気持ちになりました。難しかったであろう英訳もきちんと書かれており、イギリス人のお客様も楽しめるように工夫されていました。

 

中学部2年「ゲゲゲの鬼太郎」
中学2年生はゲゲゲの鬼太郎を紹介しました。教室の中では照明をうまく調節し、鬼太郎独特の不気味な雰囲気を上手に表現していました。展示の最後では実際に日本で売られている鬼太郎のキャラクターグッズを展示し、日本で長い間親しまれてきたアニメを上手に紹介していました。全校投票では看板部門に入賞しました。

 

中学部3年「自然からのメッセージ~The message from the nature~」
2011年の東日本大震災を扱った展示です。事実をただ記述するだけではなく、「震災を忘れてはいけない」というメッセージがこめられた力作でした。新聞紙を背景に使ったり、背景の中を覗くと被災地の様子が映し出される工夫は高校生も顔負けです。当時の映像など、視覚的な効果を上手に使っていました。投票では模造紙部門で高校生を抑えて1位入賞。難しいテーマに果敢に挑戦していく姿に感動しました。

 

高等部1年1組「The mystery hidden in the deep sea~残された手紙~」
クラスで考えたオリジナルのストーリーに沿って、深海の中を旅する展示です。祖父が残した「手紙」を入り口で受け取り、進んでいくにつれて、まるで主人公になったような気持ちにさせられます。1年1組の魅力は、なんといってもその模型です。海底に沈む遺跡や、深海に住む生物はまるで本物のようでした。大きなストーリーと細部にこだわった模型によって、非常に完成度の高い展示となっていました。準備期間中は学級委員を中心に学校の備品や道具を効率よく使用し、4部門で入賞しました。

 

高等部1年2組「WE LOVE YU」
タイトルからも想像できるように、1年2組は日本の「銭湯」を紹介するという一風変わった企画で先生特別賞をはじめとする多くの部門で入賞。立体的に作られた「ゆ」の文字をあしらった看板は1位を獲得しました。模型は湯船をはじめ、富士山の絵や洗面器、そして牛乳瓶の冷蔵庫まで! スペースをうまく使い、日本のお風呂がもつ「癒し」を上手に表現した、わくわくする展示でした。

 

高等部2年1組「LIFE」
クラス企画最高学年としてふさわしい「命の大切さ」を様々な視点から考える展示です。生まれてくる赤ちゃんを思い通りにデザインできる「デザイナーベイビー」の是非、世界各国で発表されている「幸福指数」を立教で測ってみたら何%になるか、臓器提供の技術に伴う倫理的問題、そして、「なぜ人を殺してはいけないのか」についてとことん考えてみる、など。展示の方向性で何度も悩み、たくさんの話し合いを重ねた結果、「17歳の、今の、私たちはこう思う」ということを表現することにしました。それは説得力のあるメッセージとしてお客様に伝わった様子。来場者アンケートでお客様賞を受賞しました。

 

高等部2年2組「Villains~The journey through villains~」
多くの部門で入賞し、総合優勝を果たしたのは2年2組。いつもは疎まれる「悪役」を主人公に置いた異色のテーマで人々の心を奪いました。準備期間中から、いったい何がテーマなのか、全く想像がつかず、たくさんの生徒の注目を集めていました。展示は、背景と模型の完成度が非常に高く、独特の世界観を表現し、Impact部門も受賞しました。

 

クラス企画とは別に、多くの生徒は、剣道、ドミノ&エレクトロニクス、チャリティー、ダンス、エンターテイメント、ダブルダッチ、茶道、フラワーアレンジメント、劇の9つの企画からなるフリープロジェクトを一つ選んで参加します。各企画はステージや教室で発表をしたり、作った作品を展示、販売します。Open Dayは日曜日の夕方に終了しますが、係の仕事で忙しかった生徒たちの為に、後夜祭でもう一度フリープロジェクトの発表が行われます。今年は生徒の投票によりダンス企画が優勝を果たしました。

立教生のOpen Dayは翌日一日を使って校内をきれいにし、次の日から通常通りの授業が行えるようになるまで続きます。各係の生徒を中心に、効率よく解体・設営作業を進める姿には感動しました。

Open Dayを通じて見えた、立教の生徒の素晴らしいところ。それは、人を受け入れ、人に受け入れられる自分になる努力を生徒みんなが自然にできるところです。Open Dayの準備は、そんなに簡単なものではありません。話し合えば意見の対立や衝突が起こります。思い通りにならない時に、泣いてしまったり、自分が言ってしまったことを後悔したり、反省したり、そんな毎日だったかもしれません。しかし、立教の生徒は「話し合うこと」が上手です。自分の意見を言いつつ、他人の意見もしっかりと聞き、誰かを退けるのではなくて、最もいい方法を探そうと努力をする。それは決して効率がいい方法ではないかもしれない。でもそれは、海外で暮らし、海外で活躍していくために最も大切な「技術」でもあります。Open Dayは1年に1度の特別なイベントであると同時に、毎日の生活で少しずつ培われている「立教生らしさ」の集大成でもあるのだと感じました。生徒の皆さん、本当にお疲れ様でした。
遠くから来校し、お手伝いをしてくださった皆様、本当にありがとうございました。