最後のウィンブルドン

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 待ちに待った一学期最後の行事「ウィンブルドン」。テニス一筋で中学・高校と過ごしてきた僕にとってこの行事に込める思いは人一倍強かった。聖地ウィンブルドンに行くのは今年で3回目。色々な新しい体験をし、たくさんのことを感じた。
・日本テニス界のスーパースター錦織の試合を観戦し、握手をしてもらった。
・ウィンブルドン名物の「イチゴ」を食べた。
・王者ロジャー・フェデラーのサインも手に入れた。
まだまだ他にも貴重な体験をしたが、一番心に残った貴重な体験は「イギリス人の優しさ」を改めて実感したことだと思う。一つ目は、どちらかと言えば心の大らかさかも知れないが、雨が降ったときのイギリス人の態度にあった。試合観戦中、2回ほど2、30分雨が降ったのだが、彼らは何一つ文句を言わなかった。代わりに、”Finger crossed” と笑顔とともに言っていた。大会の雰囲気を盛り下げないように、という思いがこもっていたのか皆が雨を楽しんでいるようだった。
 二つ目の出来事は試合を立って観戦している時だった。少し離れたテニスコートの観覧席から二人の女性がこちらを向いて手を振っていた。初めは見知らぬ人から手を振られたため、自分に対してなのかと迷ったが、一応その人達の所に行った。すると「ここの席空いてるわよ」とわざわざ教えてくれたのだった。それは、日本人の僕としては不思議な気持ちだった。しかし、彼らの行動はとても心温まるものだと感じた。その後も、その人達と会話をし、仲良くなり、なんだか「新しい友達」ができたような気がした。
 どちらの体験も日本では決してできず、かつ海外で生きていくためには必須なことだと思った。立教英国学院で3年間過ごし、英語の実力もしっかり付いてきた今、「真の国際人」になるために、新たなことをまた一つ吸収できて良かったと思う。
(高等部3年生 男子)