立教英国学院

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立教生が綴る英国寮生活

〈Science Workshop in 東北〉〜 仲間と過ごした熱い夏 〜


「いよいよ始まる...!」期待と緊張、そして少しの不安を胸に、私は新幹線へ乗り込んだ。発車のベルは、サイエンスワークショップ幕開けの合図だ。

 7月31日、英国の高校生と先生方が無事に羽田空港に到着した。約3週間振りの再会を喜びながらそのままバスへ乗り込む。この日から3日間は、学校ごとのグループにわかれ、そこに日本人が1人ずつ付き添うといった形で、東京都内を観光した。この日は、午後から東京スカイツリーと浅草・浅草寺を訪れた。私はSeven Kings High Schoolの女子4人と先生1人とともに行動したのだが、彼女達は12時間の長旅を終えた直後とは到底思えないほどパワフルだった。何に対しても興味津々で、次から次へと質問が飛び出してくる。私も負けじとなるべく詳しく説明したり、おすすめのお土産を紹介したりした。そのおかげか、彼女達と早く打ち解けられたような気がする。

 その翌日は、お台場の科学未来館を訪れたが、ここでも英国の高校生達の熱意が感じられた。真剣に研究員さんの話を聞き、メモを取る。無駄話をする人なんて1人もいなかった。「日本に遊びではなく学びに来ている」という意識をしっかり持っている。そのように感じた。そして夕方からは、お待ちかねのショッピングタイム。皆思い思いの時間を過ごした。私のグループの皆は、イギリスにはない100円ショップに行きたいと言っていた。実際にお店に行ってみると、「本当にこれが100円なの?」「100円とは思えないほど可愛い!」等と驚きを隠せないようだった。また、ある女子は自分の似顔絵を描いてもらい、その出来映えに感動していた。「折り曲げないように気をつけて持ち帰らないと!」とワクワクした様子で話してくれた。

 そして東京研修の最終日。この日はグループごとの自由行動。グループの皆は、当初20カ所以上あった候補を何とか皇居・銀座・浜離宮庭園・渋谷の4カ所に絞り込んでくれた。私も、彼女達を案内するために慣れない東京の街を、ナビを片手に歩き回った。彼女達は日本の暑さに苦労しながらも、笑顔で観光を楽しんでくれた。皇居の古い城壁、銀座で見つけた浴衣や着物、浜離宮庭園で食べた抹茶と和菓子、どれも彼女達の目には新鮮に映ったようだった。その中でも特に興奮していたのは、渋谷のスクランブル交差点だ。イギリスでも有名な交差点を目の前にして、不思議そうな顔で一生懸命ムービーを撮っていた。こうして彼女達を見ていると、自分がイギリスの様々な街を訪れ興奮している姿も、英国人の目には同じように映っているのだ、と思い不思議な気分になった。海外にある学校に通っているからこそ感じたことかもしれない。

この3日間は、まさに「英語漬け」の毎日で大変なこともあった。言いたいことが上手く伝わらなかったり、一発で英文を聞き取れなかったりもした。それでも、大変なこと以上に自分の英語の上達を感じられる瞬間の方が多かった。そのことが何よりも嬉しくて、私の自信に繋がった。自分自身を試す良い3日間になった。

 8月3日、この日はいよいよ福島へ移動。会津學鳳高校で開会式が行われた後、新たなグループに分かれて自己紹介タイム。このグループは、東北大でのワークショップ以外の活動を行う。私のグループは、英国人高校生が2人と日本人高校生が私を含め5人。顔と名前はすぐに覚えることが出来た。しかし、私が最も不安なことは日本人高校生と打ち解けられるかどうかだった。私は昔、重度の人見知りで、改善はしたものの今でも初対面の人と話すことに苦手意識がある。案の定、その不安は現実となった。自分からなかなか話しかけることが出来ず、さらに、グループ内に仙台出身の子はおらず地元トークも出来ない。正直、これから1週間やっていける気がしなかった。結局、この後の鶴ヶ城や磐梯山噴火記念館でも、彼らとはあまり話すことが出来なかった。しかし、その日の夜に行われたゲームや気さくに話しかけてくれた皆のお陰で、徐々に話すことが出来るようになった。不安が少し解消された。

 翌日の8月4日。晴天が広がり心地よい風が吹く、絶好の登山日和だった。今回は、吾妻小富士をグループ皆で登った。吾妻小富士は、景色がきれいなところも足場が悪く登りづらいところも多々あった。しかし、お互いに声を掛け合い、記念撮影を重ねるうちに、私の最初の不安はどこかへ消え去っていた。午後から訪れた土湯温泉でも、高温の足湯に四苦八苦したり、ミラクルフルーツに感動したりと楽しい時間を過ごすことが出来た。そして、バスに揺られながら約2時間、宮城・岩沼のホテルに無事到着。新たなお部屋とルームメイトに挨拶をして、いつもより早く眠りに落ちてしまった。

 そしていよいよ今回のメインテーマである東北大学でのワークショップ。8月5日〜7日までの3日間、私は「カドミウムが及ぼす植物への影響」について講義を受けた。講義は主に英語で、専門用語も多く聞き取るのは難しかったが、大学の先輩に日本語で補助していただき、完璧ではないが理解することが出来た。そして、普段の授業ではやったことのない数多くの実験も体験出来た。教科書の中の話だと思っていたことをとても身近に感じる良い機会であった。同時に、英語の力が伸びたと感じる瞬間もあった。プレゼンテーションの準備段階で、私は疑問があったら積極的に2人の英国人高校生に聞くようにしたのだ。作業もはかどり、英語の勉強にもなる。まさに一石二鳥だ。さらに、原稿の直しがだんだんと減っていったのだ。自発的に行動することの大切さも学んだ。

 大学でのワークショップを終えた翌日は、宮城県内のフィールドワーク。午前中は、震災による津波の被害を大きく受けた閖上地区を訪れた。私も小さい頃によく遊びに来ていた。しかし、震災後初めて訪れた閖上は、私の知っている閖上ではなかった。住宅地の家々もお気に入りだった公園も全てなくなっていた。代わりに残されたのは、寸断された道路と瓦礫の山だけ。あまりの変わりように、しばらく言葉が出てこなかった。自分に出来ることは何だろう、深く考えさせられた時間であった。お昼を済ませ、午後はフェリーで松島へ移動。フェリーには何度か乗ったことがあったが、友達と乗るとなると気分は高揚した。写真を撮り雑談を交わしているうちに、約30分の海の旅は終わってしまった。そしていよいよ、私の地元・仙台へ。この日は七夕祭り最終日で、多くの観光客で賑わっていた。英国の高校生も、初めて見る七夕飾りに興奮していた。しかし、それ以上に驚いていたものがプリクラである。背景を自由に変えられたり、目が自動で大きくなったりすることにとても驚いていた。「私の写真じゃないみたい!」と言っていたのが印象的だ。その後も多少のハプニングはあったものの、仙台の街を英国人高校生に十分満喫してもらうことができた。

 8月9日、東北大学でのワークショップで学んだことについて、グループごとに英語で発表した。大勢の人の前で話すことはとても緊張したが、本番直前まで何度も原稿を読み、練習したお陰でスムーズに言葉が出て来た。こんなに大きな達成感を味わったのは久しぶりだった。すべてのプレゼンテーションが終わり、待ちに待った夕食会へ。全員揃って食べる最後の晩餐だった。皆、残りわずかな時間を惜しむように、食べることより写真を撮ることに一生懸命だった。こうして笑い合えるのもあと少し、と思うと無性に寂しくなった。この日の夜はなかなか寝付けず、部屋でずっと友達と話し込んでしまった。

 そして、最終日。10日間のことを振り返りながら、何度も涙がこぼれそうになるのを必死で堪えた。最初は不安ばかりで、こんなに皆と仲良くなれるとは思ってもいなかった。とても短い間だったが、大切な仲間達に出会えて本当に良かった。別れの瞬間は辛かったけれど、最後は笑顔で皆を見送った。

他愛無い会話の数々、たくさんの写真、どれも忘れられない思い出。
いつかまた会う日まで、この思い出は大切に心のアルバムにしまっておこう。

(高等部2年生 女子〉
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