特別な夏休み

特別な夏休み
私がすでに日本に帰る頃には夏休み、残り1ヶ月。空港についた瞬間に日本の夏特有のあの熱気が私の頰を撫でた。みんな勉強してるし、私もやらなきゃなぁ、なんて思いながらも自分の家に帰った喜びで、つい色々な誘惑に負けそうになる。それに日本の夏は暑いったらありゃしない。こんなんで集中できるか、と何とかして勉強ができない理由を探していた。
そんな中、両親に「話がある。」と呼ばれた。私はその母の真剣そうな顔を見てすぐに気づいた。高校3年生と言えばそう、進路のことだ。私は今まで何だか恥ずかしくてあまりその話を両親としたことがなかった。ついにこの時が来たかと思った。両親は最後まで黙って私の話を聞いていた。そして母が発した一言は、「お母さんたちは、いつでも鈴奈の味方だから。」、父は、「父さんもできる限りのことをするから頑張れよ。」と。2人からの言葉を聞いて私は驚いた。こんなこと、初めて言われたからだ。同時にすごく照れくさくなって、「うん。」なんて素っ気ない返事をしてしまったけれど、本当はすごく嬉しかった。
夏休み、私が勉強が嫌になった時に両親は私を怒らないで優しく励ましてくれた。辛くなった時に、そばにいて応援してくれた。何度も彼らは助けてくれた。それらが今思い出しても泣きたくなるくらい嬉しかった。それに両親の言葉を思い出すと、自然とやる気が出た。
高校3年、最後の学期。日本で応援してくれている彼らに顔向けできるような私になって帰りたいと思う。両親の言葉を忘れずに、それが自分の力になると信じてこれから頑張っていきたい。
(高等部3年生 女子)