保護者各位
2020年5月9日
英国では3月中旬から始まったロックダウンが、8週目を迎えようとしています。この間に多くの方々が新型コロナウイルスに感染し、未だにこの感染の勢いは衰えていません。学校再開も現段階では目処が立っていません。来週には英国政府から何らかのロックダウンの解除が示唆されていますが、それも英国政府が感染状況をしっかり判断した上で行われることになるかと思います。
お陰様にて、他の学校に先駆けて導入された本校独自のオンライン授業は順調に進行しています。生徒との相互対話を大切にしたインタラクティブ授業と生徒の学習ペースに併せたオンライン学習は、英国の学校にも日本の学校にも例を見ない授業形態として、今後注目されるものと確信しています。
当初心配された学習の遅れも、異なる形態での学習を通してではありますが、各教科から順調に進行しているとの報告も受けています。まだ改善の余地があると考えており、今後とも試行錯誤を続けていきます。来週にも生徒諸君に今回のオンライン授業についてのアンケート調査を行い、今後の学習に役立てていきたいと考えています。保護者の皆様のご意見も参考になりますので、もしあればお寄せ下さい。
前例のない状況で始まりましたこのオンライン授業も、順調に軌道に乗って来たと判断されますので、例年予定されていますハーフタームの1週間の休暇を取ることに致しました。5月23日(土)から5月31日(日)をハーフターム休暇とし、オンライン授業を一時お休みにします。一度、授業から離れて気分転換を図り、6月1日(月)からの1学期後半戦に向かう英気を養いたいと思います。1学期終了は予定では7月4日(土)でしたが、1週間オンライン授業を延長し、7月10日(金)と致します。
今後、本校がいつ再開されるのかについての方針は、英国政府、英国教育省の指示に従うものとなります。順次、英国政府から段階的なロックダウンの解除が通達されてくると予測されますが、現時点では、まず英国の全日制の学校を学年ごとに開校、曜日ごとの開校、Social Distanceを考慮したクラス編成等が考えられています。全寮制の学校で特に本校のように外国からの生徒がいる学校に、段階的なロックダウンの解除がどのように適応されるかは不透明な状況です。今後の英国政府通達及び本校の対応については状況を見ながら、逐次報告させていただく予定です。2学期までにこの新型コロナウイルスが収束し、例年通りの2学期を迎えることを希望していますが、ポストコロナウイルスの状況は今までとは全く異なる対応となることを予想しています。
日本では9月入学の実施の可能性も報道されていますが、この9月入学はきちんとした日本政府、文部科学省の方針があって、初めて実行されるべきものと考えています。直接関わってくる高校3年生が安心して、今後の高校生活を送ること、大学進学の道をきちんと整えることが大切にされるべきだと考えています。例年であれば、8月より各大学のAO入試等が始まり、その準備のためには、この1学期の成績をきちんと出しておくことが必要です。今後の日英政府の方針によりますが、可能であれば以下のオプションを考えておきたいと思います。
1)帰寮が可能な条件が整えば、7月に高校3年生のみを帰寮させ、3週間程度の授業後に、期末試験を実施する。
2)帰寮の条件が整わなければ、7月に日本及び英国で高校3年生に対してのみ期末試験を実施する。
ただし、上記オプションは現段階ではあくまでも仮定の問題であり、今後の日英政府方針、特に英国教育省通達に従った上での、期末考査実施の手順になりますこと、ご承知、ご理解下さい。
今後とも、保護者の皆様の本校の教育へのご理解とご支援をお願いするとともに、皆様のご健康をお祈り申し上げます。
立教英国学院
校長 岡野 透