保護者各位
2023年度学校報告
日頃より本校の教育にご理解ご支援賜り感謝申し上げます。
2023年度卒業終業礼拝を3月2日に無事に終了することができました。卒業式の中では卒業生だけでなく、生徒諸君の成長と努力を感じることに大きな喜びを感じています。
今年度も様々な取り組みに挑戦いたしましたが、保護者の皆様からの温かいサポートとご理解に改めて感謝申し上げます。以下簡単にではありますが、今年度を終わるにあたり、校長からの報告とさせていただきます。
今後とも保護者の皆様からのご支援をいただきたくお願い申し上げます。
OFSTED監査合格
2022年10月のOFSTED監査により改善の指摘を受けていました2つの項目、理事会監査体制の改善、RSHEカリキュキュラムの改善については、2023年11月のモニタリング監査により無事合格となりました。これに伴いまして、生徒ビザスポンサーシップの停止処置も解除され、現在は新たに65名の生徒ビザスポンサーシップを取得し、新入生の学生ビザの申請および帯同ビザから学生ビザへの切り替え申請も問題なく行えるようになりました。
2023年7月より英国私立学校連盟(ISA Independet School Association)への入会が認められ、次回の監査からはOFSTED監査からISAによる監査へと移行することになります。ISAの監査では学校が置かれている状況、特に本校では英国にある日本人学校として存在していることを考慮される監査になることが予想されます。使用される基準はOFSTEDもISAによる監査も同じ基準が使われますので、引き続き監査を考慮した学校運営を行う必要があります。
探究学習への移行
今年度より、各教科の先生方と相談をしながら、知識偏重教育から探究、問いかけを中心とした学習への変更を模索しています。知識を大切にする日本型の教育と探究、問いかけを大切とする英国型の教育の融合こそが英国の地にある本校のあるべき姿と考えています。大学入試のあり方も近年変わってきました。10月11月に行われる学校推薦型入試では、ほぼ70%から80%の生徒の合格が決まっています。英国に立地する本校が英国での体験学習、一人一人が課題を持った探究学習を行うことに加えて、本校で培った高い英語力を使って、立教大学だけでなく、他の大学への進学、そして英国大学への進学に挑戦をして欲しいと希望しています。
他の教科に先駆けて今年度高校2年生では英語学習での探究を目指して授業を行ってきました。生徒一人一人が課題を自分で設定し、英語4技能を使ってのプレゼンテーションにより生徒の英語力は飛躍的に伸びています。中学1年生から在籍する生徒の中には、本校の5年間の英語教育の中で英検1級を取得した生徒もいます。高校2年生の約半数は英検準1級に合格する勢いです。また、この英語の授業環境で育った生徒の中から、英語探究学習プレゼンテーションの大会において全国大会10名のファイナリストにまで選ばれた生徒も出ました。このような探究学習は教師が一方的に教えるものではなく、生徒が自ら学ぶ絶好の機会となります。今後他の教科での試みと成果を皆様と共有していきたいと考えています。
新男子寮建設進捗の状況
60名の男子生徒を収容する新男子寮の建設準備はいくつかの問題を抱えながらも、2025年4月使用開始を目標に準備を進めています。2階建、30名収容の寮2棟、寮監住居付の完成を楽しみにしています。場所は体育館に隣接した場所となります。
環境にも配慮された構造にもなっており、特に水不足が心配されるサセックス州では雨水の活用にも配慮されています。完成予想図を添付しておきますので、ご参照ください。
ノースステーブルの改装
今までは男女生徒の数が拮抗していましたが、この4月からは男子生徒の増加が見られ、急遽、新たに男子寮の追加が必要となりました。音楽室として使っていたノースステーブルを改装し、1階は男子生徒12名が居住できる4部屋と、コモンルーム、宿直室、2階には教職員用の3部屋の居室ができる予定です。4月完成を目指して今、急ピッチで工事が行われています。
寮および教室の改装
新男子寮建設に合わせて、現在の男子寮の改装も順次行われています。長年使われてきたロッカーを撤去し、絨毯、天井も改装し、気持良く生活できるドミトリーへの改装が進んでいます。また、教室も順次カーペットへの入れ替え、窓の安全バーの取り付け等の工事が順調に進んでいます。
教育振興基金の報告
昨年8月にお願いしました教育振興基金へのご寄付に心から感謝申し上げます。2023年度は日本円にて14,930,000円(39件)のご寄付をいただきました。皆様方からのご寄付は、本校の教育の質を向上させるために重要な働きをします。生徒諸君がより良い教育環境で学び、成長できるように、また新男子寮建設資金、教室および寮の改修費用の一部として使う予定にしています。貴重なご支援に深く感謝申し上げます。
パラスポーツ啓蒙
「真の共生社会の実現」に向けて次世代が担う責任や役割は大きいと考え、本校ではパラスポーツの実体験や障がい者との交流を通じて様々な気づきや経験をエンカレッジしています。今年度も昨年度に引き続き、日本ブラインドサッカー協会とのオンライン授業を実施しました。また、I`m Possibleチーム(生徒有志団体)は、英国・Loughborough大学へ遠征し、車椅子バスケットボール体験会、世界最先端のスポーツ施設を見学、車椅子バスケットボール英国プレミアリーグの観戦等をしました。地元Sussex FA(サッカー協会)とのパートナーシップを結び、Disability Football Leagueでのボランティア活動等、パラスポーツムーブメントの活性化にも意欲的に取り組んでいます。
保健体育科の取り組み
今年度は昨年度以上にスポーツを通じた国際交流を実現することができました。地元の小中学校6校を招致したリレー大会、地元9校を招いた中高生によるリレー大会、地元Park Runにも授業の一環として参加しました。加えて、中学1・2年生は地元のスポーツ施設に通い英国人コーチによる柔道の授業に、本校としては初めて挑戦しました。最後には地元の子供たちと一緒に行われた夜の稽古にも参加し、互いに切磋琢磨することもできました。また、より多くの生徒が運動・スポーツに親しめるようフライデースポーツの種目を毎学期選択させるようにし、英国らしいスポーツや多様なスポーツに触れさせることで心身の健康保持増進と基礎体力の向上を図ることができたと考えています。
保護者会および授業参観について
コロナ禍以前に行われていました、保護者会について、来年度は以下の日程で行いたいと思います。学校教育、新男子寮建設の報告を考えていますが、時間、場所等の詳細については後ほどお知らせします。日程のみご確認ください。
・名古屋会場:8月24日(土)午前中 大阪会場:8月24日(土)午後
・東京会場:8月25日(日)午後
また、授業参観についても、オープンデイ終了後の10月23日(水)(午前中)を予定しています。
今年度食料品差し入れのお礼
今年度も昨年度に引き続き、保護者の皆様からいろいろな食料品の差し入れをいただきました。特にお茶漬けの素、ふりかけ、塩昆布は大人気で、日本食が出る日にはお茶漬けを食べたり、余ったご飯でふりかけ、塩昆布を使っておむすびを作ったり、大変助かっています。いただいた食品は生徒、教職員みんなで楽しむことができるようにしているのが、本校の特徴です。
保護者の皆様から、学校に食品、食材の差し入れについて問い合わせをいただいています。今までにいただきました食品、食材は主に火曜日、土曜日の日本食の際に、生徒教職員全員で楽しめるよう活用させていただいていて、生徒諸君からも大好評です。また、ふりかけやゆかりは通常食が食べられない生徒に出されるお粥にも活用させていただいています。
本校は寮生活であり、クラスだけでなく、宿直、日直、キッチンスタッフ、ドメスティックスタッフ等、学校全体でチームとして、生徒諸君のケアをさせていただいています。その観点から、上記のような学校全体で受け取って楽しむことができるものの差し入れについては、感謝していただいていますが、教員個人への差し入れ、プレゼント等については固くお断りさせていただいています。この点、ご理解・ご協力をいただきますようお願いする次第です。
今後ともよろしくお願い申し上げます。
参考までに、以下の食品、食材は大変重宝して使わせていただいています。
・ふりかけ(小袋でも業務用でも可)
・お茶漬けの素
・ゆかり、塩昆布(細切り)
・海苔、味付け海苔、韓国海苔
・乾燥ごぼう、ヒジキ、椎茸
・出汁のもと、浅漬けのもと(顆粒)
・麦茶パック、焙じ茶パック
2024年3月26日
立教英国学院
校長 岡野 透