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各教科レポート

中学部3年 国語科『Xの肖像』【第3回目】


中学部3年生では、教科書中の井上ひさしの作品である「握手」の学習後、ことばやしぐさ、行動などを通して自分の最も身近な人物Xについて描写する「Xの肖像」という作文を書きました。
 みなさんはこれらの描写から、Xとはどんな人物を思い浮かべるのでしょうか。
 
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「Xの肖像」

単身赴任中のXさんはいつも土曜日の夜遅くに大きなビジネスバッグを手にさげて帰ってくる。いつも、といっても二週間、三週間帰って来れない時もある。でも家にいるときのXさんはいつも温かい。そういうXさんを見て、私はいつもほっとした気分になるのである。
 年に一回のとっても大切な日、誕生日。Xさんはその日、必ず帰ってきてくれる。忙しくて疲れているのに、笑顔で「お誕生日おめでとう。」と言って、それが妹の誕生日だとしても私と妹二人にプレゼントをくれる。毎年、一回もミスした事はない。毎年毎年一つずつプレゼントと共にXさんの優しさが私の心を温かくしてくれる。
 Xさんはビールが大好きである。夜、車で出かける予定がないのを確かめると、よっしゃ、とうれしそうに大股で冷蔵庫からビールを取り出す。少したってふとテーブルを見ると空き缶がさりげなく数本置いてある。飲み過ぎはだめ、と言うとXさんは反省する様子は全くなく、はーい、と答える。この時のXさんはいたずら好きな子供がいたずらをした時のように笑っている。私はそんなXさんが大好きだ。
 私は数学が苦手である。なので分からない問題はXさんに聞く。Xさんは問題を読むと、こんなのも分かんないの? 自分で考えろよ、と言いながらも自分で答えが導き出せるように、丁寧に教えてくれる。Xさんに教えてもらってひらめいた時のあのうれしさは言葉に表せないものである。そんな私を見てXさんは私の頭にぽんと大きくて温かい手を置き、そっと行ってしまうのであった。
 私はXさんが大好きである。また尊敬している。そして感謝している。もうすぐXさんは誕生日だ。今、Xさんに一番伝えたい言葉がある。言うのはちょっと照れくさいから、私はバースデーカードにそれを書くことにした。お父さん、いつもありがとう。Xさんがこれを読んだ時の顔を想像しながら、私はカードを郵便受けにそっと入れた。

  (中学部3年 女子)
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