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各教科レポート

「待つこと」〈林 和広 チャプレン〉


待つこと

林 和広

 今夏より、妻が里帰り出産をすることになり英国での単身赴任生活を送っています。当初は英国での出産を予定しておりましたが、出産までに種々の検査や準備をする必要があると診断され、家族で話し合った結果、日本に帰国をして日本の医療のお世話になることになりました。先月、予定よりも約一ヶ月早く次男が誕生、これまでの色々なことを想い起こしながら今回の学院通信の原稿を書いております。

 十二月に入り、クリスマスを待ち望む時期に入りました。キリスト教では十二月二十五日のクリスマスの四週間前より「アドヴェント」という期間を大切にします。アドヴェントとは「到来」という意味を持ちます。イエス・キリストがこの世界に生まれたことを喜び祝う日に向けて、希望を持って「待つ」ことを大切にします。今日の世界はかなり早い時期からイルミネーションで光り輝き、クリスマス商戦で賑わい、既にクリスマスが来たかのような空気になっておりますが、教会ではその喜びの日までじっくりと「待つ」ことを大切にしています。

 現代人にとって「待つ」ということはあまり歓迎されることではありません。いかに迅速に対応するかということが求められます。利便性や迅速さを求める人間に対応するサービスはますます発展し、私たちを取り巻く環境はスピード感に溢れています。高い技術力の恩恵によって私たちの生活は便利で豊かになりました。ですが、わたしたちの生活は豊かになったと同時に、何か大切なものを見失いつつあるようにも感じます。

 今回、三人目の子供の誕生は、遠く離れた英国で生活をしていることもあり、日本に住んでいる身内に全てを委ねて待つことになりました。色々なことに迅速性を求める現代人ではありますが、生まれてくる幼子は適切な期間を母親の胎内で過ごさなければ色々な影響を及ぼすことになるのでじっくりと待ち、養われる必要があります。どんなに医学が進歩し、生まれてくる予定日が算出出来ても、常にその通りになるとは限りません。人間の手で全てコントロールすることは出来ないということです。胎内の子の状態も医療技術の向上によりある程度把握することができても、最終的にはその子が産まれてこなければ分からないのです。人間の領域を超えたものがそこにあり、そのことを受け入れ、じっくりと待つことを改めて気づかされることになりました。不安や焦りを感じつつも、希望を持って待つということの大切さを再確認することができました。子供たちの教育や関わり方も同じようなことが言えます。五歳と二歳の子供もわずか数カ月離れているだけですが、変化や成長を感じます。色々なアドバイスやふれあいを通して子供は成長していくわけですが、自分の思い通りにはいきません。「もっと早く吸収して欲しい」、「なんですぐに出来ない?」と思ってしまうこともありますが、そこでもじっくりと待つ必要があるということに気づかされます。

 もうすぐクリスマスです。神様からの贈り物であるイエス・キリストの恵みが皆様の上に豊かに注がれますようにお祈りしております。
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