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各教科レポート

鑑賞文を書いてみよう!〈その2〉(国語科)


中学部1年では、3学期の国語学習の中で、芸術作品に触れ、それについて自分で鑑賞文を書いてみるという学習をしました。鑑賞文を書くにあたって、ただ単に「きれいだ」「美しい」だけに終わらず、色彩や構図、音、におい、作者の伝えたかったことなど、いろいろな観点に基づいて分析しながら、自分の感じたことを表現してみました。普段の作文とは違っていて、なかなか苦労した生徒もいましたが、それぞれが感じた芸術作品をご紹介します。

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●『夜のカフェテラス(フィンセント・ファン・ゴッホ)』の鑑賞文

 この絵は、まず一番前にカフェへの入口が少し映っています。その奥にカフェテラスがあります。人はそこにいるけれど、背景みたいで、メインは夜の中明るいカフェテラスの明かりだと私は思います。
 私は外は暗いけどテラスだけが明るくて楽しい感じがするけど、中にいる人はあまりにぎやかでないなと思いました。
 音は、夜で外は静かそうで、中もあまりにぎやかではなさそうなので。カフェで流れているクラシックの曲と少しの小さな話し声が聞こえる気がしました。
(中学部1年生 女子)

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 何枚かの絵が並んでいて、この絵を見た瞬間、私はこの絵に惹き付けられた。なぜだか分からないが、きっと、きれいな星空の下にある家々とカフェテラスに魅了されたのだろう。他の人には一般的な絵かもしれないが、私には違った。
 私がこの絵から受けた印象は、「きれい」。今まで私が見てきた絵の中での「きれい」とはまた違った「きれい」だと思った。
 この絵は、上には夜空、右には家々、左にはカフェテラスだろう。また、深緑色の大きそうな木も見える。そして、カフェテラスには、何人かの人達が話しながら何か飲んでいる様子もある。また、道にも人がいる。
 私がこの絵に魅了されたのは、色彩もあるだろう。濃い紺色の深い空に黄色とシルバーのキラキラ光っている数々の星。家々についている温かく明るい電気。深緑色の木。濃い黄色のにぎやかなカフェテラス。私が思うに、この絵は全体的に濃い色が使われている気がする。正直、私はカフェテラスよりは、星空と明るい電気の家々に惹かれた気がする。
 また、私がこの絵から想像した事は、家々に電気がついているから、まだ夜の9時くらいだということ。そして、家の中ががやがやしている。人々の服から、もう少しで冬になるなあと思った。カフェテラスでは、大人の人達がきれいな星空の下で一日の疲れを取る一時なのかなと想像した。
 この絵は、私のあわてている時の気持ちも落ち着けてくれる気がした。
(中学部1年生 女子)

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 耳をかたむけてみると、夜にぽつんと明かりが光って、そこから楽しい話し声や笑い声が聞こえてくる。この絵は、周りは少し暗くテラスだけ明るく、客たちがカフェを楽しみながら話をしている様子が描かれている。
 この絵は、とても希望を感じさせるような絵だと思う。なぜなら、辺り一面は薄暗く、少し暗い雰囲気だけど、カフェテラスだけとても光が強く、暗闇の中でも光があるという印象を与えている。
 次に、色彩について注目してみる。この絵は、右側は暗く、題名のカフェテラスだけは、強調するかのように黄色く光っている。油絵で繊細に描かれている。
 このように今までで一番思ったことは、この絵を描いた人物ゴッホは、暗くても希望があるという思いを、人に伝えたいと思っていたのではないかということだ。
(中学部1年生 男子)


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 まず、この絵の構成は、左端の手前にバッとするまぶしい光を持ったお店があり、そのお店、いや、絵全体の奥の方に人がいる。そして、紺色の空にほど良い光を持った星が数十個浮かんでいる。
 そして、この絵は上品で綺麗なので、パッと見た感じだと、筆のタッチは弱く丁寧に描かれているように思えるが、それは思うだけである。実際は一回一回のタッチが力強く大胆に描かれている。僕は、その力強さがこの絵を美しくしているのかなと思った。
 そして、耳を澄まし、心を落ち着かせ。その絵をやさしい気持ちで、ゆっくり、そっと見てみると、お店の奥の方にいるお客さんの世間話や、静かで上品な笑い声や店員さんがお皿をテーブルに置く「ガタッ」という音、風が吹く音、道を歩く人達のしゃべり声や足音などいろいろな音が聞こえてきた。
 そして、何と言っても一番大事なものは、「印象」だ。
 この絵の印象はすごく単純だ。人を良い気持ちにしてくれるというものだ。なので、もう少しばかり、説明してみることにした。
 この絵の魅力というものは、なんといっても、気持ちを良い方向にもっていってくれる気がするところだ。
 夜、暗い所に明るいお店があり、そこで休めると、怒っているときにでも、荒れた心を落ち着かせてくれる。自分も夜、このような道を歩いてみたいと思った。
(中学部1年生 男子)


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 まず、この絵を見たとき、この町へ行きたいと思った。なぜなら、この何とも言えない素朴さと静けさの漂う町に行けば、必ずといっていいほど心が落ち着くと思ったからである。
 なぜ、こんなに素朴さが出ているのかと言えば、この町にはカフェ以外に店や物はなく、近代的な町並みではないことと、カフェの上の緑の扉やカフェのランプなど、ものの一つ一つがくわしく描かれているからだと思う。
 また、この絵からなぜ静けさが伝わってくるのかというと、色彩の変化にあると感じる。例えば、カフェの光が当たっている地面はオレンジ色だが、他の地面は薄暗い黒や緑が使われ、ぱっと見たとき、カフェからだけでなく、地面からも静けさを感じる。
 さらに、奥の暗闇に包まれている何軒かの家と道路を歩いている人の周りが黒くふちどられていることからも静けさが伝わってくる。
 また、人の輪郭がはっきりと分からないため、話しているのかも分からず、人も多くはいないことから、地面と靴が当たる「コツ、コツ」という音以外聞こえてこない様子が伝わってくる。
 そして、この何とも言えない素朴さと静けさがこの絵につめこまれているのは、印象、音、色彩のほかに、作者の意図があるからだと思う。
 それは、カフェの明るさといろいろな物を比べることで、カフェの明るさや中心となっている感じがより一層深まるのである。
 例に出すと、右側の緑色とカフェを比べたときに、しみじみと伝わる濃い緑と鮮やかな黄色とでは、対照の関係になっており、カフェの明るさ、鮮やかさが倍増する。さらに、地面のタッチが遠くになるにつれ荒くなり、暗闇とカフェの明るさを距離感で表現している。
 このように、鑑賞文を書いてみることで絵を違う観点から見てみることができ、絵の面白さを感じた。
(中学部1年生 男子)
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