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国語科レポート「短歌の学習」


中学部2年の教科書の単元である「短歌」を読み、まずは短歌を代表する正岡子規や与謝野晶子などの歌人の短歌を学習しました。その後現代短歌を代表する俵万智さんの歌集『サラダ記念日』を取り上げ、文語定型詩と口語定型詩の違いを学びました。そして最後には自分自身で実際に短歌を創作していきました。単なる創作ならば小学校で体験した生徒も多いのですが、この学習では短歌にしたい題材を文章にし、十分に練り上げた後、短歌にするという手順を踏みました。そうすることで、5・7・5・7・7の31音という短い詩には背景があり、それを読み解くことで短歌のもつ深い奥行を味わえるようになることが今回の学習の狙いです。また創作した短歌をみんなの前で発表しました。その際、その短歌の背景を考える学習を通して、その背景を味わうとともに、作者と自分の解釈が違うことでさまざまなとらえ方ができる面白さを体験しました。
以下、生徒の創作した短歌と、その短歌の背景の説明です。
 
うるさいと思っていたけど蝉の声 思い返せば夏の思い出
日本にいたとき、あれほどうるさくて嫌だったし、寝たいのに寝れなかったときの蝉の声だが、海外の 
夏は蝉の声がなく、その蝉の声もあの夏の思い出だったんだと思った。
 
たそがれ時閑静な地に鳴り響く心和らげる蟋蟀の音よ
夕暮れの静かな町に鳴り響いている蟋蟀の美しい音が昼間辛かった思い出などを洗い流してくれる。
 
暗闇の小さな光追ってたが足元の光見つけたりけり
好きな人がかなり遠い存在で追い続けていたけど、全然追いつかずにあきらめかけたとき新しい人が見つかった。それは近くにいた人だった。それに気づいた短歌。
 
クリスマス過ぎゆく人を見るけれどあなたの姿はまだここにない
クリスマスの夜に彼氏と待ち合わせをしてその場所で待っているが来ない。約束を忘れたのか?それとも別の人と過ごすつもりなのか?去年のクリスマスは最高だったのに......。クリスマスに別れるなんていや。クリスマスの夜に一人はいや。
 
 
 
①の短歌は、うるさい蝉の声も秋になると楽しかった夏の思い出の一部であり、懐かしむ気持ちはだれもが体験したものではないでしょうか。ここでは作者は、立教英国学院にいて蝉の声が聞けない状況により、楽しかった日本での夏休みを懐かしんでいるという背景があります。
②は、「たそがれ時」という言葉が秋の澄んだ夕暮れを想起させるいい言葉です。「蟋蟀」という難しい漢字を使ったことがこの短歌を格調高いものにしています。
③この短歌は漠然と幸せを見つけたものであることがわかります。「暗闇の」が響き、幸せを見つけるまでの辛い日々を暗に示しています。この短歌は作者が恋の話として創作したことに面白みがあります。
④の短歌はストレートな表現でわかりやすいですが、それを恋人が来るとわかっていて待っているのか、それとも来ない可能性があり不安に思っているのかでずいぶん印象の違う短歌となっており、解釈のわかれた短歌でした。
 
 
他にも次のような短歌を創作しました。
⑤ 空港着待つ人々のすきまから手をふる妹家族の笑顔
⑥ あと少しキミの隣にいたいけどサヨナラの声胸にこだまする
⑦ 僕の夢たどりついてはいないけど自分のために走り続ける
⑧ 真夜中に闘いが始まる横浜駅 汗と涙はホームにある
⑨ 変わったね窓から見えるこの景色これから始まる新しいスタート
⑩ 教科書から少しのぞいた二つの目こそこそかくす心と視線
⑪ ありがとう言いたいけれど言えなくて言えずにつもる感謝の山
⑫ 今はまだ光が差していなくともあなたの八雲晴れますように。
⑬1観覧車上で見おろし下にいる豆つぶたちを嘲笑いたい
⑭ 目が合わないあなたをずっと見ているのにあなたはいつもあの子を見ている
⑮「おはよう」と君にいわれるあいさつは心が晴れる魔法の言葉
 
短歌の授業を終えて以下の感想がありました。短歌で表現することが難しいという感想もありましたが短歌作りは楽しかった、短歌の背景を考えるとその奥深さに感動した、鑑賞者によってとらえ方が違うと味わい方も違うといった感想が多く出ました。
 
・自分の思いを短くして伝えるのは難しかったけれど、一つの短歌でも人によっていろいろな考え方ができるし、深いなあと思いました。5・7・5・7・7に合わせるとだいたいのものがきれいな響きに聞こえるのが不思議に思いました。
 
・短歌はよくわかならいイメージだったけど、どの短歌もよく考えるとどれも深くて心にじーんと響きました。また、短歌をつくるのはとても難しかったけれど、作り終えた時の達成感がものすごくあって楽しかったです。
 
・とても短歌作りが好きになった。表現のしかたがむずかしかったけど、その場面を想像すれば、言葉もぱっと出てきたからこれからも短歌を詠む時は、その時のことを想像しながら詠めばいいと思いました。
 
短歌を中1の時勉強した時は正直面倒くさくて今のように作ったり読み取ることができなかった。中2になって再び勉強して、短歌ってこんなに美しいものだったんだと実感した。なぜなら三十一音の短い文の中に作者の思いやその時の風景が詰められていて美しく表現されているからだ。昔から日本の伝統として創られてきた和歌はとても美しいと思った。このような伝統を大事にしていきたい。この学習を通して短歌を読み取ったり創る楽しみを感じることができた。
 
・恋や友情、家族などを示している短歌は読んでわかりやすい文でも奥が深くてアイデアがどんどんうかんでくる過程が楽しかったです。作り上げた後も達成感があった。少しはまりそう。
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