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各教科レポート

中学部3年 国語科『ことばの描写力』【第3回目】


国語科の授業では、言葉で表現する難しさに挑戦してみました。「描写力を高める」ということを目標に、
① くるりくるりとねじれた、真っ白い、柔らかそうなソフトクリームを手にとって口に運び、口の中でとけてゆくまでの様子をくわしく、スローモーションのように描く。
② 夏の夕方ざぁーっと降ってきた雨が上がったあと、地面からもやもやっとたちのぼる匂いとその様子を目の前で見ているように描く。
③ 毛糸をくるっくるっと編んでゆく編み棒、そして指の動き、できあがってゆく様子をうまく描いてみる。
の三つのうち、一つ題材を選び書きました。どの作品も実際に目の前で繰り広げられるかのように、生き生きと描かれています。

   *   *   *   *   *

 店員の手からくるくるとねじれたソフトクリームを受け取った。口に入れると、ひんやりとした、つるつるとしたなめらかさがあった。しばらく口に含んでいると、やがて溶けだし、口の中に甘さも広がったのだ。それは、みるみるうちに溶けていき、あっという間に消えてしまった。食べ終わった後に、舌の上に甘さが残っていた。           
(中学部3年 女子)

 雨の後、ふわふわっと土の匂いがしてきた。砂埃が湿ったような匂い。空はもう真っ青に変わっていた。青空に向かって、土の匂いが進んでいる。湿った泥の匂いもする。泥遊びをしていたころのことを思い出す。団子を作りたくなってきた。庭に出たら泥が匂いを作っていたのだ。風が匂いを攫っていっても、土たちはまだ匂いを作っている。匂いが風に乗って帰ってきた。新しい違う匂いと一緒に。                       
(中学部3年 女子)


 それは、とても美味しそうだった。くるりくるりとねじれた、かわいらしい姿をしている真っ白い、柔らかそうなソフトクリーム。そっと形が崩れないように持って、ゆっくり口へ運ぶ。そして、ペロッとなめた後、冷たさが口の中に広がり、次の瞬間には、その冷たさが甘いバニラの味に変わり、とけていく。口の中に残ったのは、ひんやりとした感覚だけだ。ソフトクリームの味は、幻だったかのように一瞬で消えた。               
(中学部3年 女子)

 「はい、どうぞ」
 にっこりとした笑顔で店員が渡してくれた。それは、雪のように白く、雲と一緒に浮かんでいってしまいそうだった。純白で渦のように巻かれていた。口の中にゆっくりと運んだ。最初にふわふわとした食感と甘い香が鼻をスゥーッと抜けていった。鼻を通った瞬間に口の中でゆっくりと溶けていった。それが溶けるのと同時に身体と心を溶かし包んだ純白のそれはソフトクリームだった。                             
(中学部3年 女子)


先の方はすでに溶けかかっていたので口に入れたときは冷たかったのにすぐにぬるくなってしまった。それと同時に形がなくなって液状になっておいしくなくなったので、早く飲みこんで次の一口を食べたい気持ちだった。もう一口食べるとさっきよりも冷たくて液状になるのがおそかった。口の中にソフトクリームがなくなってそのまま食べないでいたら後味が悪くて気持ち悪かった。
(中学部3年 女子)

夏の日、真っ白なソフトクリームが手渡される。暑い日ざしの中で涼しげに巻かれたソフトクリームの、垂れ下がった先っぽはすぐに私になめ取られた。それはふわっと口の中に甘さと冷たさを広げ、あっという間に消えていった。桜のような優しさ、そして散ってしまう悲しさみたいだった。次の一口。甘さとなめらかさがあった。感じる間もないようにソフトクリームはすっとなくなっていった。                       
(中学部3年 女子)
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