国語科より:高校一年生 現代文、「境目」エッセイ集 (9)

国語科より:高校一年生 現代文、「境目」エッセイ集 (9)

高校一年生の第一学期「現代文」は、川上弘美さんの「境目」という随筆でスタートを切りました。様々な「境目」を例に挙げながら、さりげなく「境目」に対する考察や独自の考えを述べていた筆者。読解後の発展学習として、各自ペンネームを使って「オリジナリティー」を重視した600字程度の「随筆」を書くことにチャレンジしました。学期末に完成した「2018年度 高一エッセー集」の中から、いくつかの作品を10回に分けてご紹介します。

 


「死」

〈ペンネーム〉ジョンソン

死とは何だろう。私は死というものに対して疑問に思うことがある。みんな死というものに対して、怖いとか、嫌とか言うけど、死というものは本当に存在するのかどうかということだ。
ある本を読んだ時こう書いてあった。「死んだ後に死んだことを苦しんでいる人間を見たことはないはず。だから人は死んだ後に苦痛を感じることはないし、それどころか自分が死んだことを認識することすらない。なぜなら、痛い、苦しい、悲しい、それを感じる主体そのものがないことが死なのだから。」と。だから私が思うに、人は死の来訪に気づくことすらない。ならば、我々にとって死などというものは存在しないと言える気がする。ということは、死を怖がる必要なんてないということだ。
死というものがないなら、天国も地獄もないと思うのだ。でも個人的に天国はあってほしい。