国語科より:高校一年生 現代文、「境目」エッセイ集 (6)

国語科より:高校一年生 現代文、「境目」エッセイ集 (6)

高校一年生の第一学期「現代文」は、川上弘美さんの「境目」という随筆でスタートを切りました。様々な「境目」を例に挙げながら、さりげなく「境目」に対する考察や独自の考えを述べていた筆者。読解後の発展学習として、各自ペンネームを使って「オリジナリティー」を重視した600字程度の「随筆」を書くことにチャレンジしました。学期末に完成した「2018年度 高一エッセー集」の中から、いくつかの作品を10回に分けてご紹介します。

 


「イギリスのお菓子」

〈ペンネーム〉みかん

 私は、イギリスのお菓子が大好きだ。フランス菓子は、こちらも気取って背伸びをして食べなければいけないようだし、アメリカのお菓子は主張が強くて、倒されそうになったり、安らがない。その上アメリカンは仏、米、英の中で一番食べ終わった後の罪悪感がすごいと思う。そんな二つと比べてほどよくずっしりしていて、満足感もありつつ、飽きることがない温かいお菓子がイギリス菓子であると私は思う。味は素朴な物が多いし、家庭ですぐ作れるような、フランス菓子を少し端折った様なものが多いのもまたよい。そんなカップケーキ、フラップジャックやスコーンをほおばると心がほっこりして、心にゆとりができる。イギリスのお菓子は重くなった心をいつもじんわり楽にしてくれる。
私はいつもイギリス菓子の磨きをかけすぎていない感じがかもし出す、寄り添ってくれるような味に感動する。そして、カップケーキの生地をまぜながら、私も誰かの心を安心させられる様な存在になりたいと思う。