国語科より:高校一年生 現代文、「境目」エッセイ集 (4)

国語科より:高校一年生 現代文、「境目」エッセイ集 (4)

高校一年生の第一学期「現代文」は、川上弘美さんの「境目」という随筆でスタートを切りました。様々な「境目」を例に挙げながら、さりげなく「境目」に対する考察や独自の考えを述べていた筆者。読解後の発展学習として、各自ペンネームを使って「オリジナリティー」を重視した600字程度の「随筆」を書くことにチャレンジしました。学期末に完成した「2018年度 高一エッセー集」の中から、いくつかの作品を10回に分けてご紹介します。

 

 


「羽田空港」

 〈ペンネーム〉admiral

 羽田空港は日々多くの人が利用している。日本人も外国人も混ざり合っていて、そこには日本でない様な錯覚を覚える時もある。
日本ではアメリカを「人種のるつぼ」と言う時があるが、空港も「人種のるつぼ」なのではないかと思う。黄色人種も黒色人種も白色人種もどんな人も空港という一つの空間にいるという事は他の場所ではあまり無い様に感じる。
旅行などで空港に行くと、「あの人はどこの国の人だろう?」と普段あまり気にしない事に気付き、いろいろな国があるんだな、と少しワクワクする事がある。一つの国に長い間いると実感が湧きにくい「世界」を意識する。空港は「世界」という非日常への入口であり、その一部なのだと思う。空港でのワクワク感は非日常へのワクワク感なのだ。
今日も羽田空港では多くの飛行機が飛び交い、多くの人々が行き交う。そこは、日常から少し切り離された、別世界への入口なのだ。